「農民」記事データベース20010305-483-04

農民連十三回大会での発言

農業シンポで勢い セーフガード請願

佐賀県連 福島是幸


 私は昨年三月、農業高校の教師を退職し、荒れている三十アールの休耕田を借りて米と野菜を作り始めました。これがどこからもれたのか、農民連から要請があり手伝うことになりました。

 会員や「農民」読者が何人いるのか、財政はどうなっているのか、県連のことはまったく知りませんでした。実態を知るにつれて、これはたいへんだなあと思っていましたが、大会に参加して、そんなことを言っていられないと決意するものがありました。

 佐賀県では昨年、三千トンのタマネギが産地廃棄されました。六月ころの田んぼでは、田植えを前に植わっているタマネギを捨てる農民の姿が目につきました。水路と畦畔の間に捨てられたタマネギが異臭を発します。そういう状況が収穫途中にあって、さらに収穫・出荷したタマネギが廃棄処分になったのです。

 農民の怒りは心頭に達しました。これは何とかしないといかんと、佐賀県農民連は十一月十七日、農業シンポジウムを開きました。パネラーの生産者が「自分が作ったタマネギを捨てなければならないということは、『死』を宣告されたくらいつらいことだ」と発言。場内が一瞬シーンとなり、九十人くらいの参加者が「農民と力を合わせていこう」ということで、セーフガードの発動を求める請願を各自治体にすることになりました。結果として、県議会を含めて、五十自治体のうち三十一自治体で採択され、六二%にこぎつけました。この勢いで三月議会では一〇〇%をめざしたいと思っています。

 佐賀県農民連の問題の一つは役員の高齢化です。私も六十一歳ですが、農民連と年金者組合では“青年部”です。何としてもがんばらねばと思っています。

 二つめは、事務局体制がとれていないこと。産直をやっていますが、体制不備がネックになっています。

 三つめは、生産者集団をどうやって組織するかということ。私は農業高校にいましたから教え子が相当います。生産量を確保しないと消費者への安定供給ができません。産直問題が当面の大きな課題です。

 四つめは、様々な団体に働きかけて食健連を結成すること。そのための学習活動にも力を入れていきたいと思っています。

(新聞「農民」2001.3.5付)
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2001年3月

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