「すずき産地」の八細工七貧乏北茨城市から 鈴木孝夫
協同購入で安価に鶏のエサもかぎりなく自給をめざす狂牛病なんて海の向こうの話とタカをくくっていたら、日本にも家畜飼料として内臓や肉骨粉が輸入されているとかやっぱり自分で作るのが安心です。
*ただでもらっている主原料うちでは鶏の飼料を自家配合して発酵させて給与しています。原料は、米ヌカ、トウモロコシ、大豆粕、カキがら、魚粕など。このうち最も多いのが米ヌカで約半分。知り合いの自動精米所から出る米ヌカを無料で全量引き取っています。生の米ヌカは油分が多すぎて、脱脂ヌカにしなければ鶏のエサには適さないというのが常識。でも、それはケージ養鶏での問題で、地面の上を自由に走り回れる平飼い養鶏ならばと勝手に解釈し、そこそこの成績をあげています。 購入すると最も高価なのが魚粕ですが、市内の漁港の近くに魚加工屋があって、魚クズをもらっています。
*白い白い「黄身」かつては農協からトウモロコシと大豆粕を購入していました。しかし、遺伝子組み換え作物が問題になり、モチ粉とエンドウ豆に替えましたが、コストは高くつきました。「色」も問題でした。黄色の色素が配合されている農協の飼料と違って、黄身が白っぽくなってしまうのです。幸い消費者のみなさんはエサの中の色素が移行していることを理解してくれて離れることはありませんでした。それどころか「すずき産地の黄身は白いから、白いほうがいいんだよ」と言われあわてました。
*非組み換え飼料を昨年からは、非遺伝子組み換えのトウモロコシと大豆粕を「のうみん飼料」の(株)ゼンケイから共同購入しています。福島県浜通りの三浦広志さんらが中心になり、自然卵養鶏に取り組む仲間に声をかけたのがはじまりでした。茨城県と福島県の八戸分で、四トントラックをいっぱいにしています。「帰り荷」扱いで運賃は格安。おかげで、ふつうの飼料を農協から買うよりも単価は安くなっています。
*サイレージ養鶏を展望なんとか飼料を完全自給したい、輸入原料を使わずに済ませたいと思っています。労力的にも、コスト的にも、輸入トウモロコシに代わるものを見つけるのは難しいのですが、これを解決しないと食糧自給率を引き上げることなんてできないぞと、大きな課題を背負ったつもりでいます。デントコーンのサイレージ養鶏を構想しています。 そのために昨年は、比較的排水のいい水田を約二十アール減反しました。いっさい拒否していた私が減反に協力したと市役所でちょっと話題になったというのは余談。残念ながら「来年百姓」の面目躍如で作付けにいたりませんでした。今年こそはと思っています。
(新聞「農民」2001.2.26付)
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[2001年2月]
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