茨城・常陸野農民センター農民連醤油で作ったとれたて好評海老の佃煮
「20年前400軒の漁民が今100軒に」組合員の水産物加工問屋・栗山さんわが国第二位の湖、茨城県霞ヶ浦。かつては有名な魚類の宝庫でした。この霞ヶ浦町の柏崎に、四代続く老舗の水産物加工問屋「栗山商店」があります。常陸野農民センターでは栗山商店と共同して、「海老の佃煮」を作りました。「こんなにおいしい佃煮は初めて」と、食べた人から大好評です。そもそも栗山商店との出会いは、昨年の十一月に行われた産直・うたごえフェスタ。会員の実家ということもあり、軽い気持ちで「広告のお願い」に訪れました。話を聞いてみると、「年々、漁獲量が減り、その分輸入物が入ってきて、二十年前には四百軒あった漁民も、今では百軒たらずになってしまった。長引く不況や食の変化もあってか、売り上げは減る一方。もう暖簾で食べていける時代ではなくなった」と、ご主人の光夫さん(55)。魚も野菜も同じ状況に置かれていることを知りました。私も、さっそく農民連のことや常陸野農民センターのことを話しました。 弱い者どうし、力を合わせて何かできないか……。そこで生まれたのが「海老の佃煮」でした。ちょうど川海老の漁の真っ盛りということもあり、捕れたて海老を農民連の醤油と、砂糖、みりんを使って昔ながらの味に煮てもらうことになりました。 食べた人からは「家族じゅうすっかりファンになりました。昔ながらの味を伝えるために頑張ってください」などなど、うれしい便りが届いています。 奥さんのトシさん(53)は、「この取り組みをずっと続けていきたい。健康には食べるものがいちばん。ハンバーガー世代の人達にも、ぜひこの自然の恵みを味わってもらいたい」と語ります。 五月には、あみの漁が始まります。こんどは「あみの佃煮」も加わりそうです。小さなきっかけで始まった取り組みも着実に広がり、今では栗山さん夫妻も農民連の力強い仲間に加わりました。 (常陸野農民センター 内田礼子)
(新聞「農民」2001.2.12付)
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[2001年2月]
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