有明海・ノリ被害宝の海を返せ!のぼり旗立てた漁船1500隻が海上デモ
ムツゴロウがはねまわり、シギが餌をついばむ豊かな諌早湾。 「海の子宮」といわれた干潟を農地化する農水省の干拓事業で堤防が締め切られてから約四年たった一月二十八日、福岡、佐賀、熊本の各県漁連と長崎の漁民など七千五百人が、今年三度目で最大規模の海上デモを行いました。 午前十一時、大漁旗や「宝の海を返せ」「海よよみがえれ」と書いたのぼり旗を立てた漁船千五百隻で集結した漁民。「諌早湾干拓工事を中止せよ」など、こぶしをふり上げシュプレヒコールで訴えました。 同じ時刻、堤防近くの陸上でも漁連婦人部や関係者など約七百人の抗議集会も行われました。
関連業界も大打撃湾の締め切り直後から急速に進む干潟の消滅、堤防内調整池の汚濁水の排水による水質の悪化、湾口部分での海底砂採取による海流の緩慢化などで、有明海特産のタイラギ、ワラスボ、アゲマキ、アサリなどの不漁と死滅に続き、国内産の四割を占める養殖ノリが黄変、大問題になりました。今シーズン、四県の養殖ノリの水揚げは昨年十一月から今年一月までで前年比百三十六億五千万円減と前年の六割に減り、例年よりも二カ月も早く中止する漁民も出て、ノリを扱う地元産業、商店など関連業界に深刻な影響を与えています。それでも農水省は「水門締め切りは(被害とは)関係ない」との立場です。
(佐賀県連 福島是幸)
(新聞「農民」2001.2.12付)
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[2001年2月]
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