学生学術文化集会に“食”の分科会を企画した桑山真恵さんに聞くちまたにあふれるファーストフード店屋コンビニ店、その利用者の多くが若者です。こうした中、昨年、京都で開催された学生学術文化集会「一二月祭」(全学連主催)で食をテーマに分科会を企画した三人の学生の一人、桑山真恵さん(25歳、京都女子大学短期大学部二年生)に話を聞きました。
――どんな分科会でしたか? 桑山 当日は、新聞「農民」のマクドナルド・コンビニ特集を拡大コピーして壁に張り出し、分科会の宣伝をしながら人が集まるかなとドキドキしていました。時間になると次々集まってきて、十九人も参加してくれました。半分くらいが農学部や医学部の学生で、食品添加物や食文化に関心をもっていたり、一人暮らしの食生活がヤバそうで気になっているとか、ゼミなどで勉強して関心を持つようになった人でした。 最初に、(1)輸入大国日本の食糧事情と農政、(2)食糧主権と世界の食糧事情、(3)なぜ輸入がいけないか(食料品価格について)、(4)他国に学ぶ食料増産の秘けつ、(5)水田に見る日本の国土のすばらしさ、の五つのテーマでレポートしました。内容が難しかったせいか、うとうとする人もいてあせったけど、みんな頷きながら真剣に聞いてくれました。 うれしかったのは、その後のフリートークで、経済や政治のしくみが日本農業をダメにしているんだという方向で展開し、「要するに政治を変えないといけないんだ!」という共通認識になれたことです。 ――なかなかすごい議論ですね。具体的にどんな話になったのですか? 桑山 話題になったのは、「農産物を市場価格に委ね、目先の利益を追求している」問題と、「WTO協定をなんとか改定させよう、アメリカいいなりの政治ではダメだ!」などです。また、「日本の国土がいかに食料生産に適しているか、持続可能な農業が国土を守っている」点と、「輸入農産物の価格が本当に安いか」の検証は、視野が広がったようです。そして、世界規模での食料増産と保護の道を探る必要があるという認識ができました。 ――桑山さん自身、実際にやってみて感想は? 桑山 「食や環境についてもっと学びたい」とか「コンビニ利用を減らして自炊しようと思った」という声があったので、やったかいがあったと思いました。 この企画は三人で秋頃から取り組み始めたのですが、十五ページにわたる冊子も作り、私達自身とても勉強になりました。一人ではできないことを、他の仲間と力を合わせて取り組めたのがとってもよかったです。 トークでは、これからどういう運動をしていけるかについて、時間がとれなくて残念でした。また、食の安全性と食文化など、今回ふれることができなかった問題は、引き続き企画で出会えたみんなで調べていきたいと思います。 ――最後に、これからの活動予定を聞かせてください。 桑山 これを機に、誰でも気軽に関われる“都風土(みやこfood)ネットワーク21”という会を立ちあげました。フリーペーパーを作って情報を発信し、青年の中で運動を広げたいと考えています。さっそく、二月十二日に創立記念の交流会をします。いずれは、勉強会、フィールドワーク(農業体験)など開催していければと思っています。農民連青年部とも交流したいです。
(新聞「農民」2001.2.5付)
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[2001年2月]
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