「農民」記事データベース20010129-478-10

2001年1月15日

農民連第13回大会報告(続き)

農民運動全国連合会常任委員会


IV 「大志をもって多数の 農民の結集を」について

1、他の運動に比べ「最も立ち遅れた分野」、組織作りに大志をもって挑もう

 (1)決議案は「農業が崩壊に直面しているにもかかわらず、農民連が強く大きくならなければ農業を守る主体的な運動をするものがいないところに、今日の情勢の大きな特徴があります」「いま直視しなければならないのは、生産・流通や多面的要求運動、新聞『農民』の充実など、農民連の運動の他の分野と比べて、組織作りが最も立ち遅れた分野になっていることです」と指摘しています。

 これまで述べてきたように、次々と展望が見えてくるときです。セーフガード発動品目に地域のこの品目を入れさせよう、多様な産直や市場出荷をもっと大きく取り組もう、日本の運動をもっと強めてWTO協定改定を現実のものにしよう、自民党政治を終わらせよう――こういう運動を実現できるのは、数十万の新聞「農民」読者と会員をめざす大志をもった組織の強化・拡大にかかっており、二十一世紀の初年度に組織作りの飛躍を勝ち取ることが大会の最も中心的な課題であることを強く訴えたいと思います。

 「多くの農民が展望を失っているもとで確固とした展望をもって運動している農民連が、どれほどのスピードとテンポで組織作りを前進させることができるか―このことがいま鋭く問われています」(決議案)。

 一万部の新聞「農民」の拡大、春の農繁期の始まる前にその大半をやりあげることを呼びかけます。大会参加者が五部・十部、二人・三人の組織拡大チャレンジャーになり、全国の牽引者になろうではありませんか。また、すべての会員が一部・二部、一人・二人拡大のチャレンジャーになることをよびかけます。常任委員会は必要な体制の強化もはかりながら、その先頭に立つ決意です。

 昨年の暮れから大会前の昨日まで、山形県・田川センターでは目標の五百部を超過達成して参加しています。「拡大を始めたら、もう、どうにもとまらない」「青年が初めも終わりも締めくくった」「農民連への好感、共感がこんなにすごいとは思わなかった」「新聞『農民』の評判は大したものだ」と毎日ニュースを発行しました。新潟も「冬の陣」と位置づけ、目標に迫っています。秋田は二年連続目標をやりきって大会に参加しようと奮闘し、あと一歩に迫っています。これらの県連の行動は、一万部拡大が可能であることを証明しています。

 (2)決議案は、組織づくりに対して、特に三つの検討課題を提起しています。

 (1)結成以来、組織をほとんど前進させることができず、いまだに事務所も専従者も配置できない県連が残されていることは重大であること、(2)広大な空白が残されており、全国的に統一した運動を広げるうえでの障害になっていること、(3)一定の段階にまで前進した組織が、その後の飛躍がなかなか勝ち取れない状況を突破できずにいることです。真剣な検討を呼びかけたいと思います。

2、自主的・自発的に自己回転できる組織を、拡大の独自の努力を

 決議案では、「組織を作りかえるほどの気概をもった活動改善」「活動の中心である新聞『農民』拡大と組織拡大の根幹である会員拡大」について提起しています。

 組織作りの最大の眼目は、単組・支部・班が全国の方針にもとづいて自主的・自発的に自己回転できるような組織にしようということにあります。そのための基礎は二つです。一つは、会員の要求、回りの農民の実態と要求が会議や寄り合いでいつも出され、県連・全国連にしっかりとどくこと。もう一つは、全国の方針、大会決議や新聞「農民」に掲載される常任委員会決定などがよく読まれ、テキストやブックレットが活用されることです。

 どんな作物を作り、販路はどうするのか、どんな集落にするのか、セーフガードの発動のような全国的な運動を地域でどう具体化するのかなど、運動のイメージを作り上げましょう。

 また、どんなに運動が進んでも、今度はあの人に入ってもらおう、新聞「農民」を読んでもらおうという独自の拡大の話し合いと実践がなければ、拡大は自然にはできないことは経験済みです。会議ごとに出し合いましょう。

3、情勢の変化の速さに対応した新聞「農民」拡大、会員拡大、広範な団体加入促進のそれぞれの意義と関連について

 新聞「農民」を先行した拡大を、という方針はこれまでと変わりません。農民連はまだ残念ながら、すべての農民から見れば知らない人が圧倒的です。新聞「農民」を拡大し、号外やPR版を活用したことで、本部にも「こんな良い新聞はない。読者になりたい。広めたい」という電話がたくさんかかってくるようになりました。自治体関係者や農業委員などからもかかってきます。新潟や大阪などのように読者から会員になってくる人が増えています。

 新聞「農民」の拡大も会員の拡大も、活動と展望をイメージした目標が定められ、やりきるまで役員会で討議し単組・支部・班を援助するかどうかにかかっているのではないでしょうか。全国連もそのために全力をあげる決意です。

 昨年一年の特徴の一つに、団体加盟が増えてきていることがあげられます。要求の一致と懇談など足を運んだ成果です。共通しているのは、全国的に運動ができる組織が求められていることです。大いに足を運びましょう。

4、組織全体の若返りをはかり、活性化を促進しよう

 新聞「農民」はいま大好評です。先輩の蓄積に学びながら、編集部の若返りが大きな活力の源となっています。二十一世紀を迎え、若い幹部を育成することが求められています。若い幹部が育つのは、責任をもった仕事に着いてもらい、自由に新しい発想でのびのびやってもらうことが何よりの条件です。全国的に若い幹部の育成に努力しましょう。

5、後継者、女性会員の拡大を組織全体の課題として取り組もう

 これは重要な課題ですが、担当者まかせになって、役員会で全体の課題として位置づけられた提起や話し合いが不足しています。組織全体の課題として進めましょう。

6、運動を支える財政を組織全体の課題としてとらえよう

 健全財政であるかどうかが、運動を発展させる最終的な保障です。決議案は財政の三原則を重視の順に列記しています。

 農民組織らしい会費のあり方は、もっと模索する必要がありますが、会費が財政の中心であることは当然です。同時に、拡大すれば確実に財政の保障となる新聞「農民」の事業収入としての大切さや、全国的な運動に参加するためのカンパ、号外への農民からのカンパ、みんなで支える分析センターのカンパなど、カンパも軽視しないで進めましょう。

 財政の健全化を進めるときの事務局長、財政責任者の役割は大事です。月々の財政の実態をつかみ、役員会に提示し、組織全体で解決をはかるようにしましょう。多額の滞納を一掃した県連の教訓がこのことを教えています。

V 二十一世紀の幕開けを 意気高く切り開こう

 みなさん、突破しつつあるセーフガードの発動などの課題をやりあげ、生産・流通の貴重な経験を大きく前進させ、どんな問題にも、できないと引き下がるのではなく、全国の英知を結集して挑戦していきましょう。

 すべての農民が団結してたたかえる条件が強まりました。国民諸階層と団結してたたかうことが、要求実現の要です。

 農業を維持・発展させるうえで不可欠な政策の三本柱――耕作農民が農地を持つこと、価格保障、国境措置――を台無しにした自民党政治を、政治変革のチャンスを逃さず、国民諸階層と団結して一刻も早く終わらせようではありませんか。

 二十一世紀の幕開けを意気高く切り開き、農民連とともに立ち上がることを、すべての農民に呼びかけましょう。

(新聞「農民」2001.1.22・29付)
ライン

<<BACK] [2001年1月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2001, 農民運動全国連合会