「農民」記事データベース20001120-471-13

中村梧郎写真集『戦場の枯葉剤』

「ベトナム開催」で資金協力呼びかけ


 ベトナム戦争が終わってから四分の一世紀がたちましたが、いまだに米軍による枯葉作戦の傷跡は残されています。

 フォト・ジャーナリストの中村梧郎さん(岐阜大学助教授)は、二十五年におよぶベトナムをはじめ、後遺症に苦しむアメリカのベトナム帰還兵や参戦した韓国兵をも追跡し取材してきました。その枯葉作戦の悲劇を記録した写真展「戦場の枯葉剤」は、日本各地を巡回し、ダイオキシンによる人体への影響について警鐘を鳴らし続けるものとなりました。また、一九八三年にはアメリカ・テキサスで、九三年には韓国のソウルでも開催され、海外の人々にも深い感銘を与えました。

 この写真展が十二月から来年一月にベトナムのハノイ市(12月5日〜15日)とホーチミン市(1月5日〜20日)で開催されることになりました。ベトナムには記録がほとんどなく、アメリカも記録を残していないため、ベトナムの人々にとっては、初めて目のあたりにする“枯葉剤による悲劇の全貌”となるものです。

 ベトナム側は「ぜひ実現してほしい」との意向ですが、写真の制作や展示運営経費は日本側の全面負担となるため、緊急の募金が呼びかけられています。目標は三百五十万円で、展示後の全作品は、貴重な戦争記録としてベトナム側に寄贈され、募金に余剰が出た場合は「ベトナム枯葉剤犠牲者基金」(ハノイ)にすべて贈られます。

 募金は一口五千円とし、一万円以上の寄付者に中村梧郎さんの写真集『戦場の枯葉剤』(岩波書店刊、九六年度日本ジャーナリスト会議特別賞受賞作品)が贈られます。

 募金用郵便振替口座=00100-0-550939(日本ベトナム友好協会・写真展の会)
 問い合わせ先は、中村梧郎『戦場の枯葉剤』写真展の会。電話03-3945-8543

(新聞「農民」2000.11.20付)
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2000年11月

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