“学ぶとはなにか”問う映画「十五才―学校IV」
松竹大船撮影所最後の作品となった、山田洋次監督作品「十五才―学校IV」は、学級崩壊やいじめ、不登校、引きこもりなど、子どもたちをめぐる様々な問題を、子どもの目線からとらえている。 六カ月のあいだ学校に行けないで悩んでいる中学三年生の川島大介は、「なぜ学校に行くのか」という答えを求めて、両親に内緒で屋久島へヒッチハイクにでかける。 映画は、その旅行先で接する一人一人の大人を、自らの力で判断しそれぞれに対応し、様々なことを学んでいく大介を追っていく。 雨の中を歩いている大介を、かわいそうに思って車に乗せた引越センター運転手が、「最近の中学生は……」「親も子供に甘すぎる。もっとぶん殴ってもいうことを聞かせるべきだ」など、一方的な説教に、猛然と反撥し、みずから雨のサービスエリアで車を降りてしまう。 大阪から宮崎まで乗せてもらった運転手の息子は、家族に心を開かない。その息子との一晩の語らい、別れ際にもらった一枚のジグソーパズル……。 屋久島で知り合った一人暮らしの老人。博多で暮らす息子が、病気の父親に接する態度に、人間の尊厳を涙ながらに訴える大介。 六カ月ぶりに学級の仲間や先生に迎えられるシーンで終わる、この映画は、前の三つの作品と合わせ「学ぶとはなにか」を、温かく問いかける映画に仕上がったと思う。(敏) 十一月十一日から松竹系ロードショー中。
(新聞「農民」2000.11.20付)
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[2000年11月]
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