「農民」記事データベース20001120-471-04

韓国

農業団体の要望通りセーフガード発動


 韓国政府は九九年十月にニンニクのセーフガード発動を申請し、今年に入って実際に発動しています。

 そのきっかけは、中国からのニンニク輸入の急増。表のように、九六年から九八年にかけて輸入は倍々ゲームで急増しました。ニンニクは米とともに、ほとんどの韓国の農家が作っている重要作物。

 
韓国のニンニク輸入量
〔トン、%〕
 
国 内 生 産
中国からの輸入
   
伸び率
 
伸び率
96年
455,955
9,497
97年
393,834
▼13.9
18,389
93.6
98年
393,903
0.0
35,996
95.7
99年
483,778
22.8
37,252
3.5
〔出所:韓国農村経済研究院〕

 これではたまらないと、セーフガードを発動しましたが、WTOに加盟していない中国は、韓国製の携帯電話とポリエチレンの輸入禁止措置をとり、半年以上にわたってもめました。協議の結果 、二万トンまでは三〇%の一般関税を適用し、それを超える分は三一五%のセーフガード関税をかけることで合意が成立しました(農水省のインターネット「海外農業情報」から)。

 八月末に横浜で開かれたFAO(国連食糧農業機関)のNGO協議会に出席していた韓国の農業団体のメンバーと交流する機会があり、その際に「ニンニクのセーフガードは農業団体の意見を聞いて発動したものか」と聞いたところ、「われわれが要求し、政府が要望を受け入れて発動したのだ」と答えてくれました。私が「日本政府の姿勢とは大違いだ」と言ったら韓国の人々は不思議そうな顔をしていましたが、日本政府の姿勢のひどさを改めて痛感する機会になりました。

(真)

(新聞「農民」2000.11.20付)
ライン

2000年11月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2000, 農民運動全国連合会