秋田・羽後町 町あげ農業守る集会農収減少、抜本対策を各党代表招き強く要請
十月二十八日午前九時。秋田県羽後町でドーンというのろしで始まった「第31回羽後町農業を守る集い」。会場は全町から集まった千五百人の農民でいっぱい。 羽後町の佐藤正一郎町長は「平成六年に五十四億九千万円だった米販売額が、この六年間で二十六億円に半減した。“農業立町”の町として大変な状況だ。減収した二十六億円に対し、助成金はわずか二億一千万円で一割にも満たない。先日、この窮状を国会議員や農水省、食糧庁、各政党にも強く訴えてきた。余ったとされる国産米と同量のミニマムアクセス米が輸入されるといわれる。米以外の作物にも力を入れてきたが、野菜などいくら作っても米の減収を埋め合わせできない。政府にセーフガードの発動を要求したい」とあいさつしました。 JA青年部、JAフレッシュ部会、町商工会の代表が、それぞれの立場から地域農業への思い、日ごろの活動、農業の重要性について発言。 集いのメインは、農業政策を中心にした各政党代表によるパネルデスカッション。自民党の御法川(みのりかわ)英文衆院議員は「減反五万ヘクタール上乗せに対する不満も聞いているが、農業団体の代表の了解を得たものだ。いまは専業農家、認定農家が一番困っている。こんなバカな農政はない。欠陥のある農政、(その原因を)突き止められないでいる。教えていただきたい」と、自ら所属する自民党農政の無策ぶりを披瀝。 日本共産党の松本善明衆院議員は「政府は『緊急総合米対策』をつくったが、米価は下がるばかりだ。原因はWTO農業協定によるミニマムアクセス米にある。ミニマムアクセス米は輸入義務ではなく、輸入機会にすぎないと政府は正式に認めた。輸入して減反とはまったくの誤まりだ」と指摘し、「今でもすぐにできることは自主流通米の値幅制限を復活させることだ」と発言し、会場から大きな拍手が沸き起こりました。 民主党の代表は「家族経営農業者には痛みをともなうが、競争原理を取り入れるべきだ。ミニマムアクセス米は五%程度とし、高関税率にする。過剰米処理のための海外援助は誤まりだ」と発言し、公明、社民の代表は農業の衰退している話をしましたが、農民が切実に思っている政策は示しませんでした。 (秋田県連 佐藤長右衛門)
(新聞「農民」2000.11.13付)
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[2000年11月]
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