農民連全国代表者会議生産ふやし、新聞「農民」を先行した組織拡大へ第13回大会をめざして
十月三十一日、東京・新宿農協会館で開かれた農民連全国代表者会議は、四十都道府県から八十四人が参加して、第五回常任委員会決定にもとづく大会成功に向けた活動に全力をあげる決意を固め合いました。 広がる各地の活動経験に学んで…「安値で輸入されてくる中国産タマネギと向き合った時これでは潰されると思った。しかし、農業から撤退するわけにはいかない。中国に輸出する気構えで、大いに作って、これに立ち向かってやろうと思った」 安値の日にも粘り強く、一日も欠かさず埼玉・上尾市場に出荷し続けている栃木県連の海老原恒夫事務局長は、会議でこう発言しました。 発言者に真剣なまなざしを向け、時おり明るく笑い合う参加者一同の心の中には、「たたかって二十一世紀の展望を自ら切り開くんだ」という強い意志がみなぎっている――そんな印象を受ける会議でした。 「情勢の厳しさ」について、小林節夫代表常任委員は「農産物の価格暴落はまだまだ序の口」と強調。そのうえで、これとたたかう方向として探求され、実践されてきたのが、「新婦人産直、生協産直、直売所、市場出荷が、運動のなかで一つにつながってきた」という流通をめぐる新たな共同の広がりです。 ほくほくネット(東北・北海道ネット)の米卸との準産直米のとりくみは、関西の米屋ともつながり、今月大規模な交流が東京で予定されています。岡山県連も地元スーパーと提携し、朝どり野菜の供給を十月からスタートしました。Qネット(九州ネット)が扱うエフコープの産直品は週三十品目に増えています。各地で生まれている貴重な経験。この教訓を汲み尽くし、本流にしていくことが大事と実感する数々の報告。 会議では、こうしたとりくみと切り結んで、新聞「農民」を先行させた組織拡大の方針が示されました。 「作業場を真っ暗にして夫婦でテレビを見ている。どうしたのかとたずねると、手間賃にもならないんでやる気が出ないという。それで『歯止めない輸入・価格暴落とどうたたかうか』のブックレットを読んでみてくれと渡したら、さっそく翌日電話がかかってきた。『この通りだ。こうしなきや、農家は立ち行かない。知り合いにも読ませたいから三部持ってきてくれ』という電話だった」(富山県連の小林定雄さん) 志高く新しい時代の扉を開く大会に「新聞『農民』が組織者であることを実感した。かつて中国米を輸入した生協、さんざん買いたたいた市場が、『農民』読者になったことで大きく変わった。生協からはリンゴ産直の申入れがあり、来月から五店舗で自由に店頭販売していいことになった。市場は、卸会社の社長を集めるので話をしてほしいと言ってきている。今年も大会までに目標を絶対達成する」(秋田県連・佐藤長右衛門委員長) 意気上がる発言とともに笹渡義夫組織部長は、要の問題として「どんなものを作っているか出し合い、今度こんなことをやろうとイメージを膨らませる話し合いを、単組や班、支部の集まりでやろう。県連幹部も加わり、一緒に描いたり悩んだりしよう」と提起。 また、根本敬・福島県連事務局長は「我々の志が低くなっていないか」と問いかけるとともに、「数十万農民連、地域に影響力を持つ組織をイメージして大きな構えで勝負しよう」と呼びかけました。「第十三回大会を、新しい時代の扉を開く大会にしよう」と奮闘を誓い合いました。
(新聞「農民」2000.11.13付)
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[2000年11月]
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