“素晴らしい日本の食文化”伝統食列車 千葉・茨城を走る
十一回目の伝統食列車が六十数人を乗せて十月二十七日から二十九日にかけ、千葉県と茨城県を訪問しました。交流会の会場は千葉では銚子の犬吠埼、茨城は霞ケ浦に近い内原町の鯉淵学園。 参加者はそれぞれの郷土の伝統食に舌鼓を打つとともに、新たな料理レシピの発掘もあり、知らない者同士の新たな結び付きができるなど、元気の出る取り組みになりました。
自慢郷土料理に大満足千葉は県食健連が中心に受け入れ準備をすすめ、女性部の奮闘で料理は三十五品目、千葉県産のお茶やみかんもそろえるなど、四十名を越える母ちゃんたちの労作が光りました。列車の中では地酒作りの社長が「酒談義」。銚子に着いたら農業と漁業の「大談義」。近隣農協や漁協の女性部はちょうど産業まつりでしたが、夜の交流会には海草料理を届けてくれるなど伝統食が盛りだくさん。百五十名の参加者に、千葉県の農業と漁業の底力が伝わったのでした。 千葉県から茨城に入った一行は、地場産大豆で納豆を作り、野菜ボックスで消費者と産直に取り組む八郷農協で話を聞き、納豆工場を見学。 開館は土日だけというギターの博物館「ギター文化館」でギターのミニコンサートを堪能、常陸野は文化の薫り高い地であることも学びました。 交流会が開かれる四年制の農業・生活専門学校「鯉淵学園」の体育館には茨城弁の「おらげの ごっつぉ んまがっぺ」の大きな横断幕が飾られ、準備におおわらわ。 出品された料理は事前につかんだものだけで七十種。当日飛び込みもあったとか。しかもその料理を載せる「器」がなんと朴(ほお)、芭蕉、里芋、柿、セロリ、ギボシなどの葉っぱで、まさに伝統食器。交流会が終わったとき、テーブルの上は葉っぱだけでした。 「いままで会ったこともない事務局メンバーがとにかく集まり話し合った」(ふるさとづくりセンター・塙克子さん)。「委員長もなく横並びの実行委員会でこんなことができるなんて」(JA県女性協議会・海老沢とも子さん)。そして、「良質のエネルギーが集まると、次の新しいエネルギーが生まれた」(交流会プログラムより)という取り組みは、総勢二百五十名の参加者に日本農業と食文化のすばらしさを再認識させた一夜でした。 また、準備の過程で、地域の女性たちが特産のれんこんをいかに食べてもらうため努力したかを「発掘」した二百種以上もあるレシピをまとめた「れんこん料理集」を十一月、発売するということも報告されました。
(小倉・冨沢)
(新聞「農民」2000.11.13付)
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[2000年11月]
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