総理府世論調査「食料品は国産で」が84.2%輸入依存 国民の圧倒的多数が不安
“外国産より高くても、食料はできるかぎり国内で作る方がよい”と望む国民が八四・二%で、圧倒的多数を占める――総理府の世論調査で、こんな結果 が出ました。総理府が一九八七年から行っている世論調査で、今回で五回目。 調査のたびに“安ければ輸入する方がよい”という人が減り続け、一九・九%から一〇・五%に半減しました。一方、食料自給率の向上を求める世論は七一・二%から八四・二%に、一三ポイント上昇しました。とくに女性では八五・四%に達し、輸入依存でもかまわない(七・八%)という人の十一倍に達しています。 その背景にあるのは、日本の異常に低い食料自給率と、輸入食品の安全性に対する不安です。 将来の食料供給に「不安はない」と答えた人が三一・四%から一八・五%に急減した反面 、「不安がある」と答えた人が六四・〇%から七八・四%に増えています。 また、実際に「国産品と輸入品のどちらを買うか」との問いには、国産品と答えた人が八一・九%で、輸入品を買うと答えた人はわずか〇・四%(十四人)。 * * * 今回の調査が行われたのは、雪印乳業が“企業犯罪”というべき食中毒事件を引き起し、国民を不安のドン底におとしいれていた七月六日〜十六日。食品の安全性に対する関心が高まっていた反面 、「国産品といえども安全とは限らない」という議論さえ出ていた時期でした。 それにもかかわらず、世論は国内農業の発展と食料自給率の向上を望んでいる――総理府の調査は、二十一世紀に向けて農と食を守れという国民的合意を確かなものにする条件がますます成熟していることを示しています。
(新聞「農民」2000.11.13付)
|
[2000年11月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2000, 農民運動全国連合会