東京・築地市場を、この目で確かめたい農民連女性部が見学・学習
野菜を満載してビュンビュン走りまわるターレット、威勢のよいセリのかけ声、朝六時の築地市場はまさに喧騒のるつぼのようです。そのせわしなさ、忙しさにびっくりしながら、農民連女性部のお母さんたちが十月三〜四日、一泊二日の日程で、東京・築地の青果市場を見学しました。 山積みの輸入野菜「こんなにきちんと大きさを揃えてあるのね」「やっぱり見栄えを良くするのも大切ね」――山積みになった野菜を見るお母さんたちの目は真剣です。見学会には、関東近県を中心に、全国から四十六人も参加しました。 「出荷している市場を、この目で確かめてこよう」と十一人(うち三人が男性)で参加した山形県庄内のだだちゃ豆の生産者をはじめ、「市場見学なんて初めて」「とにかく野菜が安くて、どうにかしたい」など、関心と熱意がみなぎっています。 「夜の方が荷が集まる」と聞いて、夜十時にも市場見学し、すでに続々と集まっている荷物にビックリ。朝の見学では、セリの威勢のよいかけ声と指の合図にビックリ、多彩 かつ山積みになった輸入野菜にビックリ――と、皆「すごい、すごい」を連発。 元気で、女性ばかりの大集団は、大きな市場でも目立つことこの上なし。「どこから来たの?」という声があちこちからかかります。「二十一世紀は女性の世紀だから、農家も女性パワーでどんどんいい野菜を出してもらわなくっちゃ」と励ましてくれる八百屋さんもいます。 市場のしくみ学習卸売会社で個性化コーナーを担当、農民連の野菜を売ってくれている佐藤武夫さんも一日目の学習会に出席し、「農民連のものは赤い農民連シールとともに、高い評価を受けています。とにかく継続して出すことで小売も関心を持ちますし、本当に良い物は卸も売りやすい」との佐藤さんの言葉に、お母さんたちも食い入るように聞き入りました。 学習会では、生産流通対策部の佐藤龍雄さんが、市場のしくみといま市場が抱える困難について講演し、産直協事務局長の斎藤敏之さんが「農産物を楽しく作ろう」と題して講演しました。 仲間増やして出荷各地からの発言も活発に行われました。「生協での直売だけでは出荷先が足りない。仲間を増やすためにも、市場出荷に取り組みたい」と発言した福島の渡辺和子さん。「作ったものはすべて売り切ろうと産直センターで市場出荷を始めたら、逆に市場から二万束ホウレンソウを北海道に送りたいと言われてビックリ。もっと仲間をふやさないと物も増えない」と発言した千葉の斎藤教子さん。「夕市の仲間で、これからパンフレットを使って流通の学習会をしていく計画」など、いきいきとした取り組みも報告されました。 夕食にはお寿司を堪能するなど、築地市場ならではの楽しみも盛り沢山だった見学会。だだちゃ豆の生産者で八月に農民連に加盟したばかりという佐藤美江さんは「来年もぜひ出荷したい」。同じく本間靖子さんは「広くて歩くのが精一杯だったけど、本当に参加して良かった」と感想を話しています。
東京築地市場祭り農民連コーナー大盛況十月八日、東京築地市場で休市日のイベント「築地市場まつり」が開かれ、農民連が初めて参加しました。「多様な流通の探究」の方針のもと、市場出荷を粘り強く続けてきたことが市場関係者の目にとまり、今回の祭りに声をかけられたのが参加のきっかけです。 会場では水産物(旬のさんまやカツオ)、野菜や果物、加工食品などが、卸売りの値段を目安に販売されるとあって、広い特設会場は大賑わい。 農民連のコーナーでは和歌山紀ノ川農協の玉ねぎ、静岡細江農産物供給センター・愛媛産直協同センターのみかん・レモン・すだち、茨城県西産直センターの野菜を販売。袋に詰め放題など大安売りしたこともあり大盛況でした。 安売りの一方で「国産レモンはどこを探しても無い」とまとめ買いして行くお客さん。全ての袋に「農民連シール」を貼り、売場を囲む人たちに声をかけ対話しながら農民連の農産物をアピールしました。 普段は一般の人が立ち入ることはなかなかない市場ですが、マグロの解体やタイの活き締めの実演、試食コーナー、青果・水産物の模擬ぜりのイベントに行列ができるほど活気にあふれていました。 (産直協 笠原尚)
(新聞「農民」2000.10.30付)
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[2000年10月]
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