「非拘束名簿式」参院で強行採決四野党、結束して反対
「議会制民主主義を踏みにじり、票の横流しをねらい、国民の選ぶ権利を奪う与党の横暴は絶対に許せない」――自民党、公明党、保守党の与党三党は十月十九日の参院本会議で、参院議長を交代させてまで非拘束名簿式導入の参院選挙制度改悪案を野党欠席のまま強行採決しました。選挙制度の改正を与党だけで一方的に強行したことは、日本の国会史上一度もありません。まさに民主政治と議会制民主主義のルールを破る暴挙です。 与党の暴挙に対して、野党は結束して断固反対し、院内をはじめ集会や街頭宣伝にも党首が先頭に立って国民に訴えています。 「民主主義を守れ。来年の参院選挙では与党を痛い目に合わせ、過半数割れに追い込もう」という国民の怒りの声も高まっています。 暴挙に継ぐ暴挙で与党だけで強行採決した「非拘束名簿方式導入」の改悪案は、「票の横流し」をねらうもの。この仕組みは、これまでの比例代表の政党名と候補者に個人名のどちらかを記入して投票し、候補者名の得票も所属政党の投票に加算され、政党の「実力」以上の票を集める党利党略。 自民党は有名人を立候補させて大量得票をねらい、その得票で議席をかすめとろうとしています。 「次の参議院選挙は、いまの制度のままでやる」と、議長のもとにおかれた協議機関で二年間にわたり議論し、今年二月に与野党が一致して結論を出していました。ところが自民党は、先の衆院選挙で政党名で投票する比例代表の得票が二八%台になり、これでは来年の参院選挙はたたかえないとう危機感から、突然、「非拘束式」の改悪案を持ち出してきました。 与党は参院特別委員会や参院本会議などで、国会のルールを破り暴走。与党が暴挙を繰り返した結果、異常事態となり、それにもかまわず、野党や国民の意見も聞かずに強行突破しました。 野党は党首がそろって街頭で与党の暴挙を糾弾するとともに、緊急集会も開いています。十月十七日には、東京・千代田区の星陵会館で「公職選挙法改悪阻止緊急集会」を開きました。民主党、日本共産党、社民党、自由党の党首・幹部がそろって、「改悪は許さない。断固として最後までたたかう」と決意を表明しました。 また、大運動実行委員会は連日、与党の暴挙を糾弾する議面集会を開くなど、たたかいを展開。十月十九日には、与党の強行採決に抗議する緊急の議面集会を開催、百三十人が参加しました。参院本会議を傍聴した女性は「与党の暴挙は許せない。与党議員は人間としても堕落した。来年の参院選では絶対に落とそう。過半数割れにするために頑張ろう」と決意を表明しました。自民党の野望を打ち砕くたたかいは、まさにこれからです。
(新聞「農民」2000.10.30付)
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[2000年10月]
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