「すずき産地」の八細工七貧乏北茨城市から 鈴木孝夫
大公開「燻燃器の設計図」モミガラから炭と木酢液をつくるこの季節、田んぼ道を走っていると「もったいない」と叫びたくなる風景に出会います。ワラを、そしてモミガラを燃やしてしまう人がいるのです。モミガラ燻炭を焼き、同時に木酢液(モミ酢液)も採取する「燻燃器」は市販品もありますが価格が十万円以上。そこで八細工七貧乏。自作しちゃいました。 用意する材料は、ドラム缶を二つ。古物屋さんで一つ千円。▼ロストルにするステンレス製の金網。ふつうの金網ではすぐにボロボロになってしまいました。▼モミ酢液を採取するための煙突。私は贅沢にステンレス製の煙突を使っていますが、竹筒などでもいいかもしれません。▼装置全体をくくりつける一輪車。移動式にすることで、モミガラの保管場所で詰め広い安全な場所で着火後、煙突を設置した所で燃焼させることができます。
着火のコツと大切な消火作業ドラム缶に詰めたモミガラへの点火は上から行い、このとき表面全体に十分に着火させること。吸気口からドライヤーで強制送風すると簡単に火が回ります。午前中に点火すれば夕方前には燃焼は完了します。油断しているとせっかく焼けた炭がみんな灰になっちゃうので消火作業も大切です。下まで焼けていることを確認したら、まず吸気口を濡れた雑巾などで塞ぎ、さらに上ぶたを取って、バケツ二杯の水で温度を下げた後、ビニール袋などで上部も密閉。翌日にはサラサラの燻炭が取り出せます。
稲の培土と鶏のエサに混ぜ活用できあがった燻炭と木酢液(モミ酢液)は、次のように利用しています。燻炭は、稲の育苗培土を作る時に混ぜます。培土が軽くなり、また通気・通水性がグンと良くなります。苗の徒長を防ぐともいわれます。自家配合している鶏のエサにも混合します。さらに、ヒヨコが病気に感染した時など、燻炭を床面に散布すると健康回復がはっきりとわかります。 エサには木酢液も混合します。水と乳酸菌を加えて発酵飼料にしますが、その水を酸性にすることで他の腐敗菌の増殖を抑え、有益な乳酸発酵を促進します。鶏舎内に雨が吹き込み床面が湿り悪臭を発する時はモミ酢液を散布します。 詳しくは、「すずき産地」のホームページ(http://www.suzuki31.page.ne.jp/)まで。
(新聞「農民」2000.10.9付)
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[2000年10月]
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