「農民」記事データベース20001002-465-04

ゆるせない党利党略

参院比例代表選「非拘束名簿式」強行策


 自公保三党は、九月二十一日に開会された臨時国会で参院の比例代表選挙を政党名で投票する拘束名簿式から政党名とともに個人名投票も認める「非拘束名簿式」の導入をねらって特別委員会の設置を強行し、公選法改悪案の成立をはかろうとしています。農民連は、党利党略、議会制民主主義を破壊すると糾弾、自公保三党に抗議を集中しようと呼びかけています。

 現行の参院比例代表選挙は、有権者が政党の実績や公約、名簿などから判断し、政党名を書いて投票します。その投票総数に比例して政党の議席に反映する民主的な仕組みです。

 ところが、与党がねらう「非拘束名簿式」は、有権者が候補者の個人名を書いて投票したものがすべてその候補者の所属する政党への投票とみなされます。例えば「自民党は支持しないが、あの候補者なら」と投票し、その候補者が最低当選ラインの数倍の得票をすると、有権者の意思とは無関係に自民党の他の候補者の得票にも振り分けられ、当選する仕掛です。

 自民党は一九八二年、参院選挙に比例代表制を導入する時、非拘束名簿式を退けた経緯があります。その自民党が非拘束名簿式を急ぐのは、先の衆院選挙で二八%の得票率に落ち込む中で、来年の参院選挙で過半数割れを防ぐため、彼らの有利な選挙制度に変えようという党利党略からです。公明党は世論調査でも「一番嫌いな政党」になっており、保守党はまだ知られていないという思惑から、自民党と一緒になって選挙制度の改悪を強行しようとしています。

 自民党は、同党参院議員・久世前金融再生委員長の「党費立て替え」のヤミ金権問題に対する国民の批判を選挙制度の問題にすりかえていますが、与党三党が勝手に選挙制度を変えようとする暴挙は許せません。

(新聞「農民」2000.10.2付)
ライン

2000年10月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2000, 農民運動全国連合会