期待と信頼に応えフル稼働食の安全守る砦 農民連食品分析センター新鋭装置導入、分析幅も広がる「アメリカ産『有機無農薬』大豆から発ガン性残留農薬がゾロゾロ」、「コーンスナック菓子から遺伝子組み替えトウモロコシを検出」――発足から丸四年、農民連食品分析センターは、数々の分析検査を発表し、日本農業と食の安全を守る運動に貢献してきました。また、みなさんからいただいたカンパで昨秋から始めた遺伝子組み換え分析も軌道に乗り、これもカンパで導入した新型のガスクロマトグラフ装置も動き始めました。みなさんの応援に感謝し、よりいっそう分析技術を向上させ、期待に応えていきたいと考えています。 (分析センター 八田純人)
塩素系農薬など分析が可能に…新型ガスクロの導入によって、塩素系農薬の分析が可能になりました。これまでやってきた有機リン系農薬と合わせて百六十種以上、国内で使われているほとんどの農薬が検出できます。また、このガスクロは気圧の変化に強いなどの特長をもっています。二台の装置でクロスチェックすることも可能になり、より精度の高い分析結果を得ることができるようになりました。 分析センターにはこれまで、消費者をはじめ多くの方々が見学に訪れています。その人たちの関心は、「残留農薬が基準以下かどうか」ではなく、「残留があるのかないのか」、また「それを食べ続けて健康が害されるのかどうか」です。 先日、私と荒木紗和研究員は、横浜にある検疫所を視察。職員の熱心さには心打たれるものがありましたが、農薬の残留基準がどんどん緩められ、輸入農産物が急増しているもとで、輸入に対する抑止力は弱まっていると考えられます。 今後ますます増加すると考えられる輸入農産物を前に、この新しいガスクロが大活躍してくれると思います。
輸入野菜・果汁の分析も計画…分析センターは今後、急増している輸入野菜をはじめ、ファーストフード食品、ダイコンおろしなどの中食食品、果汁などの分析を進める計画で、輸入食品の危険性を暴露していきます。同時に、分析センターには、たくさんの分析依頼・相談が寄せられます。 この間、給食用にお米を出荷している組織の方から、「給食用米に採用されるかどうかの瀬戸際で、分析センターの分析結果が決め手になった」という話を聞き大変うれしく思いました。 生産者が自信をもって生産を管理し、安全でよりよいものを作ろうと努力し、消費者のより安全なものを食べたいという要望に応えられるのは、有機農産物基準に準じているかどうかを調べる機関や検疫所ではなく、この農民連食品分析センターです。 農業・食料を取り巻く問題は日々多様化していますが、そういった問題を一つ一つ解決していくたために分析センターを利用していただけたらと思います。
家畜飼料からGM検出輸入トウモロコシ、大豆分析センターは、今年五月、神奈川県内の生産者から依頼された鶏、豚、牛、それぞれの飼料から、遺伝子組み換え(GM)トウモロコシ、ダイズを検出しました。分析方法は、特定の遺伝子を増幅し検出するPCR法。組み換えられた遺伝子を見つけるプライマー(遺伝子配列の断片)には、分析センターが独自に設計したものを用いました。トウモロコシを粉状に砕いた鶏用飼料、粉状のトウモロコシとダイズの混合態の豚用飼料は、そのまま検体として使用。圧ぺんされたトウモロコシとペレット状のダイズが分離できる牛用飼料は、それぞれを検査。分析の結果、そのすべてからGMを検出しました。 とくに鶏用飼料二種類のうち一種類は、「非組み換えコーン使用」と明記されたもの。商社は高いプレミアを取って非GM品を輸入しているのですから重大です。同時に、来年四月から実施予定のGM表示にも飼料は除外されており、この点も見直しが求められています。また、分析センターが依頼を受けたその他の国産ダイズなどからは検出されていません。
CD発売一周年記念してカンパヒューマン・ファーマーズ茨城を拠点に全国で活動している百姓フォークグループ「ヒューマン・ファーマーズ」は七月十四日、農民連を訪れ、食品分析センターに十万円を手渡しました。CD「菜の花が咲いたよ」発売一周年を記念して、カンパしたものです。
(新聞「農民」2000.8.28付)
|
[2000年8月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2000, 農民運動全国連合会