カメムシ対策会議を開催
農民連は七月二十七日、衆院議員会館で初のカメムシ対策研究会を開き、二十四人が参加しました。「各地でカメムシが多数発生、その対策を」という要望に応えたもの。講師は元福井県農業試験場環境部病理昆虫課主任研究員・元同県植物防疫協会技術主幹で、現在は福井県農民連賛助会員の岩泉俊雄氏。 岩泉氏は、スライドを使いながら、「一口にカメムシといっても、その種類は非常に多く、県・地域によって被害を与える種類が違うので、農業試験場など専門家に聞くことが重要だ」とし、「斑点米は土壌・肥料との因果関係は見られず、カメムシによる食害だ」と指摘しました。 「福井県での調査の結果では、カメムシの被害は水田周辺に雑草地があるところに集中し、水田内では畦畔から十株までで、中心部にいくほど少なくなる。それは歩行で移動し、食餌のあとまた畦畔に戻るからだ」と説明しました。 近年、なぜカメムシ被害が増加しているかについては、(1)水田付近のカメムシの生息・繁殖・越冬場所に好適な放任雑草地の増加、(2)夏の高温乾燥で寄生植物の枯死による餌不足で、水田に移行した、(3)田植えが早くなり、稲の乳熟期とカメムシがもっとも餌を必要とする時期が合致したことなどを指摘。「したがってカメムシの生態と雑草の生え具合、稲の成長度合いをよく観察して草刈り、防除時期と回数、薬品の選定が必要」と強調しました。 参加者からは、「木酢液や土手焼きは効くのか」「草刈りの適期はいつか」などの質問が出され、一等米が千粒に一粒以内の斑点粒という厳しい検査基準への意見、産直では消費者の防除への理解を得ること、被害粒混入への理解と合意の必要性などが討論がされました。
(新聞「農民」2000.8.14付)
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[2000年8月]
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