「農民」記事データベース20000814-460-02

第46回日本母親大会開く

食と農守る発言に共感

のべ二万六千人参加


 「生命を生みだす母親は生命を育て、生命を守ることをのぞみます」――第四十六回日本母親大会が、七月二十九、三十日、のべ二万六千人が参加して、東京で開かれました。一日目の全体会は、ユニセフ親善大使として世界二十カ国を回った黒柳徹子さんが記念講演。二日目は、子育て、教育、暮らし、雇用、平和、民主主義、食料・農業など七十以上のテーマで分科会が開かれました。

 「世界に例のない異常な日本、食と農の一大事―二十一世紀の食料、農業、故郷を守る」のシンポジウムは、二百人を超える農家、消費者らが熱心に話し合い、もの作りに励む農家のお母ちゃんへ大きな期待と共感が寄せられました。

 「娘と二人でミカン作りにがんばっています。お父ちゃんに先立たれて、何度も農業をやめようと思ったけど、農民組合を通じて知り合った消費者の方々が心の支えになりました」と発言した静岡・細江町農民組合の佐藤妙子さん。会場からは大きな声援の拍手が送られました。

 パネラーは、清水鳩子・主婦連合会会長、農民連女性部長の高橋マス子さん、石黒昌孝・農民連食品分析センター所長の三氏。高橋さんは自らの経営から見た農業の現状を発言し、石黒さんは、輸入農産物の実態を告発。清水さんは消費者の立場から、“自由貿易こそ消費者利益”だとするWTO協定を批判しました。

 討論では率直で、積極的な発言が続きます。「子どものアトピーをきっかけに包丁を持たない不良ママを卒業しました」と、東京・江戸川区から参加した零歳と四歳の子どもをもつ若いお母さん。

 島根県で教員をやっている女性は、「社会科の授業で学校給食の食材を調べたら、中国産のホウレンソウにビックリ。希望の持てる農業を子どもに教えたい!」と発言。埼玉農民連女性部長の中島仲子さんは、「野菜の暴落で、玉ねぎ十キロの農家手取りは、わずか三百円。農家の労賃は出ません。農家の現状を知ってもらい、一緒に変えていきたい」と訴えました。


「安全・安心な学校・保育園の給食を」分科会

 行革の名のもとで、自校直営方式から民間委託される給食が人員削減され、過酷な労働条件のもとで、輸入食材を使った冷凍加工品がかなり使われている、という調理員、栄養士さん。一方、直営方式でがんばっている埼玉・新座市の小学校では、近所の農家でジャガイモ掘り体験などを通じて、「食物は、何処から、誰から」が見える生きた教材として給食を運営しているという報告があり、感動しました。
(齋藤裕子)


「不況ふきとばせ!町おこし、村おこし」分科会

 全国から町おこしで成功した人、これから取り組もうとしている人、取り組んで悩んでいる人が集まった分科会。たくさんの元気をみなさんから頂きました。

 文京区の小林豆腐店の小林美律子さんは、「明日を担う子どもたちに安全な豆腐を食べさせたい」と、北海道の農家と契約して国産大豆の豆腐を作っている。

 東洋大学の吉田敬一先生は、「知恵をしぼり、体を張ってがんばれば道は開ける」と強調しました。

(細江町農民組合 真船雅子)

(新聞「農民」2000.8.14付)
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2000年8月

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