秋田・長野で食・農シンポ
安全な食べ物はあるか「秋田いのちと農を考える会」秋田県内の農家、消費者、医師、研究者、保健婦、栄養士、教員、労働組合などで組織されている「秋田のいのちと農を考える会」(佐藤喜作会長)は七月十五日、秋田市で「安全な食べ物はあるか――迫る危険パートII」をテーマにして第十六回シンポジウムを開き、約五十人が参加しました。輸入農産物が急増する中で、安全な食と農を再生を求めることを一貫して活動の中心にしてきた同会は、前回のシンポでは「遺伝子組み換え食品」を迫るパートIとして実施、今回はこれに続くもの。 秋田県立大学生物資源科学部の谷口吉光助教授(「地産地消を進める会」代表幹事)が「有機農産物表示基準でどうなる?生産者は?消費者は?」と題して講演し、参加者をまじえての討論が活発に行われました。 谷口氏は、「有機認証制度」とは何かについて、複雑な中身や認証にかかわる経費増(生産者側に一方的にかかる。大潟村のある農家は二十二万円もかかったなど)、産直、産消提携との違い、農水省ガイドラインとの違いを図を示しながら詳しく説明。登録認証機関が認証する「有機農産物表示」がすすめば、ほとんど輸入ものになってしまう危険性を指摘。「安全」に過度にこだわるのは意味がなくなってしまう。地産地消こそが本当にめざすべき方向だと強調しました。 会場内では、農民連から国産大豆のしょうゆなどが並べられ、飛ぶように売れていました。 (秋田県連 佐藤長右衛門)
地域農業を考える長野県食健連「私たちの食べ物と地域農業を考える」シンポジウムが七月十六日、長野県食健連の呼びかけで、飯田市で開かれ、百八十人が参加しました。南信の飯田地方には、まだ地域食健連がありませんが、討論では、「地域の農産物を売りたいが、農協も市場もおかしくなって手に入らない。何とかならないか」(十数店を構える地元スーパーの専務)、「学校給食に地元の農産物を入れる運動を強めたい」など、積極的な発言が相次ぎ、食健連運動を広げる、よいきっかけになりました。 また討論に先立って、栄養学者の江指隆年氏が「心と体と社会の健康をはぐくむ食生活」と題して記念講演をしました。 (長野県連 山下始胤)
(新聞「農民」2000.8.7付)
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[2000年8月]
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