「農民」記事データベース200005-号外-01

輸入を増やして農業をつぶす

21世紀/こんな政治でいいのでしょうか

関連/腰くだけ/これで農業が守れるの?

 こんな政治がつづけば、田畑が荒れ、街はさびれる。いったい、ふるさとはどうなるのだろう――農山村に住む人も、都会へ出て行った人もみな心配しています。「政治を変えたい」という思いを一つにして、いろんな願いを実現させましょう。


減反しながら輸入とは…

自民党農政は輸入自由化最優先

 “WTO協定上、外米の輸入は義務ではない”ことを政府は認めました(日本共産党議員が国会で追求)。

 それでも自民党政府は輸入をやめません。その結果、米価は一俵五千円も暴落しました。

 「輸入しながら減反とはなにごとか――これほど逆立ちした政治はありません。

 野菜の暴落も輸入の急増が原因です。酪農も果樹も、緊急輸入制限をすれば暴落を防げるのに、それをしないのが自民党政治です。

価格保障をやめて、なんで食料自給率が上がるのか

 価格保障がなければ農民の生産意欲は決してわきません。豊作だからといって買いたたき、輸入を増やして買いたたき――こんな政治では自給率向上など絵空事です。

安全性など眼中にない

遺伝子組み換え食品や残留農薬など、問題にしない自民党政治

 WTO協定で残留農薬の基準を数倍から千倍にもゆるめ、しかも「輸出国が安全だといったら輸入国は文句を言うな。検査もするな」と決めたら、その言いなりです。

 遺伝子組み換え作物も安全性が確認されないのに、政府はいち早く承認しました。

 アメリカの牛肉の半分はO-157に汚染されているとアメリカ自身が認めていてもなんの手も打ちません。

 こんな屈辱に甘んじられますか?

WTO協定改定は世界の流れ

 政府は「WTO協定の改定を言いだせば、世界で孤立する」といいますが、そんなことはありません。

 シアトルのWTO閣僚会議が決裂したのは、WTO加盟国の八割を占める発展途上国と世界のNGO(非政府組織)が、アメリカの横暴なやり方に反対したためでした。  他国政企業に農産物を買いたたかれて苦しんでいるアメリカをはじめ輸出国の農家もWTO協定に反対しています。

 WTO協定改定こそ世界の流れ。孤立化しているのはアメリカいいなりの日本の自民党政府です。

 WTO協定改定を主張できる政府へ――この選挙で大きく前進させましょう。


腰くだけ/これで農業が守れるの?

自民党政府のWTO交渉提案

 「WTO交渉では、農業を守るために立派な提案をした」――自民党政府は、こんな自慢話をしていますでも、実際は?

 (1) 外米の押し売りと減反拡大を押しつけるミニマム・アクセスには、一言も文句を言わず。
 (2) それどころか「現行WTO農業協定の枠組みは基本的に維持する」と、自由化一辺倒のWTO協定を弁護。
 (3) 「農業の多面的機能」を拒否するアメリカの圧力の前に「言葉にはこだわらない」といって、腰くだけ。

(新聞「農民」2000.5.号外)
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2000年5月

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