「農民」記事データベース20000522-449-18

演劇

日本初のフランス現代劇

演劇集団円が上演


 演劇集団円は、現在フランスで最も注目され、かつ人気のある劇作家ロレー・ベロンの作品「ハムレットの楽屋」を上演します。

 この作品の舞台は、「ハムレット」を上演している劇場の楽屋。役者たちはメイクアップをして、衣装をつけています。初日の幕開き直前に起こるさまざまな出来事。高まる緊張と興奮。やがて、モニターからは「ハムレット」の芝居のせりふが流れてきます。

 芝居が進行すると同時に幾日かが過ぎ、楽屋の様子や人間関係も変化していきます。それぞれの挫折や歓喜。そして、芝居が終わる。役者たちはメイクを落とし、衣装を脱ぐ。舞台から生活へ、非日常から日常のせつない転換…。

 ロレー・ベロンは女優として活躍した後、劇作家になった経歴をもっています。円では一九九一年に「アプサンス」を南美江主演で上演しています。女流作家独特のきめ細かな作風に魅力があります。

 訳・演出をする大間知靖子さんは言います。「女優であった作者にとって、楽屋は馴染みの深い身近な場所です。そこに出入りするのは彼女が“ファミリー”と呼ぶ芝居関係者。不安や苦しみを陽気なおふざけに隠した怒りっぽく、傷つきやすい人々です。いつの時代も、どこの国にでもある劇場の楽屋のありふれた日常…。『ハムレットの楽屋』は、こうした舞台の表と裏とを同時に見せることで、芝居のもつ悲哀と偉大さ、美と醜、聖と邪をそのまま描きだした作品です」

 出演は平木久子、三谷昇といったベテランから中堅実力派、そして期待の新人である林真里花まで顔をそろえています。声の出演も渡辺謙のハムレットをはじめ、橋爪功など豪華メンバーとなっています。(A)

5月23日〜28日、東京・六本木の俳優座劇場。連絡先=演劇集団円(03―3366―2576)

(新聞「農民」2000.5.15・22付)
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2000年5月

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