「農民」記事データベース20000522-449-17

82歳、ますます元気…

農業つぶしの政治ストップを

秋田・小松慎一さん


 「農民はもっと怒らなくては。もっと勉強しなくては」――秋田県農民連副会長の小松慎一さん(82)は、こう熱く語ります。本当に若々しい小松さん。農業の苦難を思い、冷たい政治に怒り、つねに前を向いて努力する。小松さんの生きる姿勢に、多くの仲間の信頼が寄せられています。

 秋田県東由利(ひがしゆり)町。非常に保守的な地域のなかで「そんながんじぇねえ(子どもじみた、聞き分けのない)こと言うんでねェって言われるんだけど、もう黙っていられないんですよ」。新聞の切り抜きや資料がいっぱいつまったぶ厚いノートを取り出した小松さん。次々と数字をあげながら、「今の米価では再生産費も出ない。減反も重なって、とても百姓では生活していけない」と穏やかに語ります。

 小松さんは旧家に生まれ育ち、第二次大戦に従軍。終戦時にはシベリアに抑留され、一九五六年に帰国後は、林業と三町歩の稲作を耕作。七二年からは四期十二年、農協の組合長をつとめ、牛肉・オレンジなど輸入自由化の道をひた走る農政を見つめてきました。「当時、農協と町が一丸となって和牛をすすめていて、自由化は本当に大変でした。その時最後まで反対を貫いたのは共産党だけでした」と小松さんは言います。

 「こんな農業つぶしの政治はやめさせたい」。七十歳の時日本共産党から町会議員に立候補、当選。二期八年つとめ、後続にバトンタッチしました。そしていま、小松さんは二万四千人の組合員を抱える秋田新生農協の理事をしています。「価格保障の廃止しかり、輸入自由化しかり、なんとかこの政治を変えなければ」。当初ヤジの飛んだ理事会でも、道理ある小松さんの意見が徐々に取り入れられつつあります。

 「根っこは、大企業奉仕の自民党政治。絶望している農民にこそ、農民連の運動を理解してもらいたい。そのためにも、農民連を大きくせねば」。

(満川/新聞「農民」2000.5.15・22付)
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2000年5月

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