固定資産税大いに審査申出を今月末まで受付
各地の農民連が固定資産の課税台帳を縦覧したところ「評価作業がいいかげんだ」ということが浮き彫りになっています。農業収益を無視した高い固定資産税を軽減させるためには、いまただちに審査申出を大いに行うことが求められています。
三年前と評価額が同じ事例も…山形県鶴岡市で宅地、雑種地、農地の十筆の土地をもっている人の名寄帳(課税台帳)は、各土地の今年の評価額が三年前の評価額とまったく同じ。ところが、税額は宅地も雑種地も増税となっています。また、山口市でも、評価額も課税標準額も前年度とまったく同じ。「あなたのところも、そうなっていませんか。ぜひ三年前と比べてみてください」と農民連は呼びかけています。一方、大阪府能勢町では、評価額がすでに満額課税になっているにもかかわらず、二・五%の増税となっています。これは課税者(町)が、評価作業と課税台帳作成を下請けに出し、ろくに点検しなかったとしか考えられません。
審査申出は一人でもできます各市町村の固定資産評価審査委員会は、納税者の救済機関と位置づけられています。今年の評価替えでは、審査申出制度が変わり、多くの市町村で五月末までに期間が延長されました。縦覧に行けなかった人も納税通知書を見てからでも審査申出ができます。申出は一人でも可能です。集団でもできます。高い固定資産税を引き下げさせるためにも、まず審査申出が必要です。大いに取り組みましょう。
出足早く税金額集会青森・津軽農民組合「組合員も増えました」青森・津軽農民組合は税金申告の終わった直後から、出足早く来年の税金運動に取り組もうと四月十日から十五日の間、税金学習会を十一カ所で開きました。四月に学習会を開いたのは初めてのこと。学習会では、三人が農民組合員になり、組合員らの紹介を含めると、これまで八人が入会しました。来年の申告からは、農業所得標準から収支計算に切り替わることになり、帳簿にもとづいて自分で収入や経費を計算し、申告書を書かなければなりません。これまで役場などからの圧力で言いなりにさせられてきた多くの農家は戸惑い、どうしたらいいのかと不安をつのらせています。 津軽農民組合は、こうした農家に対して、「安心・納得の申告は、いまから記帳を―農家の税金は信頼の農民組合へ」という税金学習会の案内チラシ二万五千九百枚を新聞折り込みで宣伝しました。 「おじいちゃんに行ってこい」と言われて来た農家のお嫁さんは、税金や固定資産税などの話を聞き、三日後に入会(田舎館村)、平賀町役場の税金説明会に行く前日、学習会に参加した兼業農家の方は、収入や経費をきっちり計算しないと国保税にも影響するなどの説明を受けて、組合員となりました。大鰐町の農家のお母さんは、「自分で計算したにもかかわらず、役場の対応は納得がいかない」とこぼし、聞けば標準で計算されていたことがわかり、組合員になりました。 津軽農民組合の須藤宏事務局長は「早くも税務署から呼び出しのハガキが送られてきている。来年から収支計算になる、と役場からも言われ、自分で申告書を書きたいという要求も生まれている。そのためには多くの農家に声をかけることが大事になっており、出足早く税金学習会を開いた。引き続き、税金学習会に取り組んでいきたい」と語っています。
全税関闘争勝利6・9決起集会に支援を全税関労組中央執行委員長 上山 興士食の安全守るたたかいの先頭に「輸入品の五割以上が素通りの対象になる」簡易申告制度――全税関労組や港湾労組、食健連、農民連などの強い反対にもかかわらず、関税法改正法案が国会を通過し、来年三月から実施されようとしています。なかでも全税関は、行政の内部に身を置きながら、「簡易申告制度は、多国籍企業や大商社、大企業の利益を優先し、国民の健康や安全を守る税関のチェック機能を大きく損なうもの」と警鐘を乱打してきました。 また全税関は、コメをはじめ農畜産物の輸入自由化に一貫して反対し、輸入食品の安全問題では二千回を超える港見学の案内や学習会の講師活動を行い、十万人以上の国民と交流・学習を続けてきました。 このように国民とともに歩み、国民本位の税関行政の確立をめざす全税関に対し、大蔵省・税関当局は四十年余りにわたって弾圧、差別を行い、組織を壊滅させようと徹底した攻撃を続けてきたのです。
「賃金差別裁判」今週にも判決が元東京税関幹部の告発によれば、当局は組合分裂当時、「旧労(全税関)をつぶすことが仕事の全部と心得てもらいたい」「旧労に残る限り、人生は絶望であることを自ら悟らしめよ」と職制を駆り立ててきました。全税関は、不当な攻撃に一歩も引かず、二十六年間「賃金差別裁判」をたたかい、高裁段階の最後となった東京事案が三月二十七日に結審となり、秋にも判決が出される情勢になっています。六月九日に東京・千代田公会堂で「全税関闘争勝利6・9決起集会」を開き、裁判闘争勝利と大蔵省に全面的な解決を迫ります。 集会では、山崎豊子さん著『沈まぬ太陽』の主人公・恩地元のモデルである、元日航労組委員長の小倉寛太郎さんも特別参加し、「正義・民主・平和」について熱い思いを語る予定です。 全税関は、今後とも国民の食糧と健康、日本の農業を守るために全力を上げる決意です。集会へのご支援やご協力をよろしくお願いいたします。
(新聞「農民」2000.5.15・22付)
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[2000年5月]
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