「農民」記事データベース20000417-号外-02

力を合わせて、重い固定資産税を引き下げよう


地価が下がっているのに収入が減っているのに何故あがるのか

まず役所で縦覧、明細表(コピー)を貰おう

 いま、全国で固定資産税台帳の縦覧が行われています。この期間は市町村の役場にいけば自分の土地や家屋の課税台帳を自由にみることができます。印鑑をもって平成九年と十一年と十二年度の各人の課税明細のわかる名寄帳(課税明細表)のコピーを請求しましょう。本人以外の場合は委任状を請求される場合があります。

新評価額が下落率十二%以上で住宅地以外で負担水準四五%以下なら税額据え置き

(1) 平成九年と十二年度の新評価額の下落率が全国平均の十二%以下かどうかで変わります。
(2) 住宅用地の負担水準が五〇%(小住宅五五%)住宅地以外では四五%を超えていれば税額は据え置きです。
(3) 駐車場、貸倉庫などは負担水準六〇%以上で据え置き、七五%に引き下げとなります。

農業施設用地は農地に準じて評価するが基本

 四月六日、農民連では、緒方靖夫議員の紹介で、議員と一緒に自治省の板倉敏和審議官と会い、三月二十一日の参院委員会での答弁を確認するとともに、農民の立場にたって評価するよう要請しました。

 緒方議員 「二十一日の委員会で、農業施設用地は農地なみにするという答弁は確認して間違いないですね」

 板倉審議官 「その通りです」

 議員 「農家の立場にたって趣旨が徹底するように要望します」

 農民連 「農業施設用地の農地並み評価の実施は、農業施設用地を宅地なみに評価するのは違法だとした東京高裁の判例にそい、農家の立場にたって実施すべきと思うが、自治体によっては関知しないというところまある」

 審議官 「判決もあり、所要の補正も行ったが、実施していないところもあり、告示で一斉に実施することにした。まだ始まったばかりで市町村でアンバランスもあるが、自治体がいずれ実態をみて適切に実施するものと思う」

 農民連 「農業施設は、便宜さや盗難予防のため自宅の近くや敷地に置くのが通例です。これも、宅地にある農業施設用地を農地並みに評価するのは当然だと思うのですが。そう考えていいですね」

 審議官 「あの時も言ったように、二階に人が住んでいるとか、住宅が二棟ありその中に挟まれた場合などは判断が必要かと思うが、基本的には、農業施設用地は農地に準じて評価するということで考えられるのではないか。趣旨にそって実状に合わせて農家の立場も勘案して自治体が適切に判断するのではないでしょうか」

 農民連 「船橋では農振地域で、農地を転用して産直センターで農産物の集出荷施設を作ったが、これはどうか」

 審議官 「当然認められる。用途も限定される農業施設用地が認められなければ判例に背くことになる。実際どうなってるか調べてみてください。納得できない内容であれば、審査請求されるなり、申し出て下さい」

 農民連 「農地を十七条で転用手続をして宅地にして農業施設用地にした場合、用途も農業施設用地に限定されているのだし、当然認められるべきだと思う。自分で宅地にしたのだからと駄目だという自治体もあるが」

 審議官 「そういうのは、農業施設用地のある宅地を農地に準じて評価するというのが基本ですから、本旨に反します。細かい点は、いつでも事務当局に聞いてください」事務担当は杉本達治固定資産税課長補佐です。

 参議院国土環境委員会での緒方靖夫議員の追求は生産緑地や相続税を含めて農民の要求を取り上げた素晴らしいもの。運動に役立つ内容です。議事録を都道府県連にFAXで送信してありますので活用してください。

必ず農業施設用地の評価がどうなっているか調査を

 今年は、運動の成果もあって、畜舎、ハウス、温室、農機具置き場などの農業施設用地は宅地評価から農地なみ評価に変わります。まず、固定資産税台帳で調べて、下っていなければ「農業施設用地は農地なみの筈なのにそうなっていないではないか」と追求しましよう。

 固定資産税を引き下げたくない県や市町村では「うちには該当がない」「農用地域でないから」「市街化区域となっているから」「自分で十七条で農地を転用している宅地にしているから」などさまざまな屁理屈を付け、農業用施設用地を農地なみにしようとしていない自治体もありますが、引き下げている市町村もあります。

 したがって、事実や実例を調べて追求することが必要です。全国連に集中して下さい。

 「市街化区域だから駄目」「均衡上例外に該当する」「農用の区分のない白地には関係ない」こうした言い分には「どこにあろうと、農業施設用地は農地並み評価が基本」ということで要求を粘り強くしよう。

閲覧し審査申立てを

審査請求期間 納税通知発行から三〇日間

事実で自治省追求を

(新聞「農民」2000.4.号外)
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2000年4月

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