演劇劇団「銅鑼」が環境問題描く「樹々の息吹」を上演
朝日新聞の「天声人語」(4月3日付)でも話題になった東京の劇団銅鑼が、前回公演した「序章」につづいて、同じ平石耕一作・演出で「樹々の息吹」を上演します。 「序章」はミズバショウで知られる尾瀬で三十年前にあった自動車道路建設の反対運動を題材にした芝居でした。意表をついたのは、劇の途中で、「世論に訴えるか」「行政に働きかけるか」という二つの展開を用意して、客席の支持によって進行するということでした。これは、ワークショップで劇をつくりあげる過程でうまれたものだったといえます。 今回の「樹々の息吹」は、その「序章」につづく展開となります。公害問題などが政治課題としてクローズアップされた時代、公害患者やマスコミの注目を浴びて環境庁が設置されたのは一九七一年。発足直後の環境庁二代目長官に就任したのが大石武一氏でした。 舞台は、この大石長官をモデルにした空賀(くが)百石のもとに、尾瀬(ドラマでは巨瀬=こぜ)の恵蔵小屋の主人・星野太一が訪れることから始まります。巨瀬に建設中の観光道路をなんとかして阻止してもらえないかと訴える太一に対して、空賀は巨瀬を視察し、その自然を守ることを決意しますが、思うようにいきません…。 空賀百石を演じる俳優の千田隼人さんは「官僚というか、いわゆる縦割り行政の問題を描いているんだけど、たとえば、空賀が国立公園内の観光道路工事をストップさせようとすると、通産省や建設省がからんできたりするシステムのなかでしかつくっていけない。そのへんを疑問視しながら本当に人間のための制度であるか見ていかなければいけないんじゃないか」と語っています。 出演はほかに山田昭一、佐藤文雄、渡辺太ら。 (A)
実際に田畑を見ることは、どんな本を読むよりも創造の役に立ちます。一反の田んぼ、雑木林、トラクターでの整地、育ち始めた作物、収穫風景……台本の中にある台詞やト書きが、現実のものとして、私たちの目の前にありました。 北嶋さんの「農作物は農民が作り続けなければ、なくなってしまう」という言葉がとても印象的でした。 (青年劇場 荒川貴代)
(新聞「農民」2000.4.17付)
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[2000年4月]
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