「農民」記事データベース20000417-446-12

若葉薫る季節・5月の連休に

大自然を満喫しませんか

信濃平・農民連宿部会がおさそい


花や新芽がいっせいに顔を出して

 フキ、コゴミ、ゼンマイ、ワラビ、タラノメ、ウド、――長野・飯山の信濃平は、雪解けとともに一気に春を迎えます。ここには、昨年六月、全国にさきがけて結成された農民連民宿部会があります。今年のゴールデンウィーク、夏休みを大自然のなかで過ごしてみませんか。

 「民宿のすぐ上のゲレンデに薄紫の可憐な花を咲かせるカタクリの花、千曲川沿いのなだらかな丘に咲く菜の花、そして、まだ頂きに雪をかぶる山々の麓には山菜や野草。春を待ちわび長い冬を耐えてきた花や新芽がパァーと顔を出します」というのは、民宿部会長の片山館・足立ていさん。

 農民連民宿部会の運動は、こうした信濃平の豊かな自然の恵みや、自ら育てた米・野菜を、訪れた人に食べてもらい、民宿業と農業の両方を守っていこうというとりくみです。

 いつも花をきれいにアレンジした料理を出し、グリーンツーリズムのインストラクターでもある高原荘の栗岩保子さん。「ゴールデンウィークの頃だと、二輪草(土地の言葉で子持ち草)をさっと湯がいて卵とじに。ワラビなどの山菜もワラ灰であく抜きすると、ぬめりが残って味を壊さない」とか。高原荘のもう一つの自慢は、小さい頃から料理を手伝い、昨春、農業高校の家政科を卒業して家業に入った次男の光宏さん(19)。子ども好きで「笑顔を見るのがうれしい」そうです。

通常の観光旅行で味わえない好さ

 また、片山館の足立さんはソバ打ち名人。オヤマボクチ(アザミ科の植物)の葉の繊維とフノリをつなぎに、地粉と豊かな涌き水で硬めに打つソバは、絶品。その涌き水は「腹薬の水」と呼ばれ、市内の喫茶店主がわざわざ汲みに来ます。ソバ打ちやワラジ作りなどを体験できるのも民宿ならでは。山菜狩や温泉巡りも楽しめます。

 大手旅行代理店の高いあっせん料に苦しみながらも、ニセモノまがいの輸入山菜でない、その土地で採れた本物を食べさせてくれる民宿部会の人たち。「料理をおいしいって喜んでもらえるのが何よりうれしい。一生懸命サービスしてお金をもらえれば…」と。

 ※民宿部会に加入するのは「グリーンシャトウみやざわ」「ラブリーキャッスルにのみや」「三葉荘」「片山館」「岳友荘」「アットホーム三橋」「高原荘」「ロッジしゅぷーる」「あだち荘」「ロッジゆぁーず」「栗岩荘」の十一民宿。
 長野県農民連(Tel〇二六―二三五―三六六七)が窓口になり、公平に予約を割り振ります。宿泊は一律、一泊二食で六千円。交通は、上信越道・豊田飯山ICから約10分、飯山線・飯山駅からバス約20分。

(新聞「農民」2000.4.17付)
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2000年4月

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