「農民」記事データベース20000417-446-06

コーンスナック菓子の安全性

「混入ない」の証明にならぬ

ID社が記者会見


 「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」が昨年、コーンスナック菓子から安全性未確認のトウモロコシが検出されたと公表した問題で、農水・厚生両省は三月三十一日、「未確認品種は検出されなかった」との検査結果を発表。これに対し、「キャンペーン」から分析を依頼されたジェネティックID社(塙章社長)は四月五日、これをもって混入がないという証明にはならないとする記者会見を開きました。

 ID社が指摘したのは、サンプリングの規模。小規模の分析では特定は困難だとしています。しかも、両省は、商業生産はやっていないという前提にたって検査を行っています。しかし、未承認品種の大量流出事故は、オーストラリアなど各地の試験ほ場などで起きており、混入のセン在的な可能性は否定できません。

 同時に、日本政府が、検出しなかったにせよ、遺伝子組み換え品種を特定できることを実証したことは今後、波紋を広げる可能性があります。これまで各国政府は、承認済みの品種であろうとなかろうと、遺伝子組み換え品種の特定は不可能という態度を取り続けてきました。しかし、日本がやったことで各国は、民間機関が未承認品種を検出した場合に、それを検証することが求められるからです。

 これからますます政府機関も、民間の検査機関も、検査体制を充実させていくことになり、ひいては開発企業の手を縛ることにつながります。農民連食品分析センターも、それに加わっていくことが求められます。

(新聞「農民」2000.4.17付)
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2000年4月

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