「農民」記事データベース20000417-446-01

岡山市内にオープンした町のアンテナショップに出荷

加茂川町 農家20人で組合結成

農民連に加入 町の支援をうけて


 岡山県の中央、吉備高原に広がる御津郡加茂川町のPRと特産品を販売するアンテナショップが、JR岡山駅西口の岡山市奉還町商店街の空き家を改装して四月二日、開店しました。

 岡山県内の市町村が岡山市内にこの種の店を出したのは初めてのことです。岡山県農民連は「アンテナショップは地域おこしのひとつのあり方として、なんらかの援助をしてほしい」と二月三日に県当局へ申し入れていました。

 このオープンに備えて、地元・加茂川町の野菜生産者約二十人が二月末に産直野菜生産者組合を結成し、農民連に団体加入。組合員は六十〜七十歳代の人が中心で、「しっかり野菜を生産しよう」と作付け計画を話し合っています。

 ショップは約七十平方メートル。産直コーナーと情報コーナーがあり、マイタケなどの野菜類やキムチ、手作り豆腐、冷菓ゼリーなどの加工品を販売。アンテナショップは、町が職員を所長として派遣するほど力を入れています。

 オープン当日は市民がつめかけ大盛況。岡山市に在住する加茂川町出身者も半てんを着て、“わが故郷”の売り込みに懸命でした。地元のテレビも放映するなど注目されています。

 加茂川町は標高二百〜二百五十メートルで、人口約六千七百人。高原地帯の地の利を活かして白菜を中心にした野菜生産地で知られていました。最近は高齢化で、せっかく作った白菜などが出荷できず、畑で立ち枯れするのが目立っています。

 岡山県農民連の働きかけで、昨年十月から新婦人の野菜ボックスの宅配事業に出荷するようになり、高齢者も喜んでいます。しかし、新婦人ボックスへの出荷だけでは数量が限られているため、販路の拡大が必要になっていました。そんな時に町のアンテナショップの開店が計画され、農民連加入の生産者組合の結成となったものです。

 加茂川産直野菜生産者組合の組合長・日名幹夫さんは「町のアンテナショップのオープンで、野菜を作ることが楽しみや喜びになって広がることを願っています。販路が広がれば高齢者が安心して野菜作りに励み、生きがいとなり、健康づくりにも大いに役立てればと期待します」と話しています。

 加茂川町は農民連組織のないところでしたが、今年になって個人加盟の組合員が四人増え、県連の世話人会にも参加しています。

 町は農民連会員の野菜が途切れずに出荷されることに期待をかけています。

(岡山県連 中庭克之)

(新聞「農民」2000.4.17付)
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2000年4月

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