日本の食と農の未来を問う青年劇場4月公演『菜の花らぷそでぃ』原作者・山下惣一さん囲んで集い
青年劇場は、日本の食文化と農業の未来を問う作品として「菜の花らぷそでぃ」を四月に東京で公演します。公演を前に原作『身土不二の探求』の農民作家・山下惣一さんを迎えて三月十七日、東京・青年劇場稽古場で同劇団友の会春のつどいが開かれ、八十人以上が参加しました。会場は、「菜の花らぷそでぃ」の舞台がセットされ、桜の花が満開という春爛漫の雰囲気。 先日開かれたWTOに関する国際シンポジウムの呼びかけ人にもなった山下さんは、自らも作っていたミカンがダメになり、農家が減少し自給率も低下した経過にふれながら、「国際シンポに参加し、ダイコンおろしまで輸入されている実態を知り驚いた。私はこれまで三十五カ国に行き、その国の農業を見てきたが、大規模化した農村には住民が住んでいない。日本は大規模化はできない。外国の農業と比べ日本のいい点がある。それは生産と消費が近いこと」と指摘し、地場産を地場消費する重要性を考え、「身土不二」を探求していると話しました。 脚本家の高橋正圀さんは「半年ほど前に十代の若者が朝昼晩とコンビニの納豆おにぎりばかり食べていたり、チョコレートを主食にしていた子をNHKで知り、度肝を抜かれた。そんな時に山下さんの本に出合った。十年前に山下さんの著作を脚本し『遺産らぷそでぃ』として青年劇場で上演したが、この間の農業の変化には驚くばかり。その土地で作られたものを食べる生活が最善だという思いをモチーフにした」と語っています。 参加者は、山下さんや高橋さんらを囲み、青年劇場団員の手作りの料理を食べながら楽しく交流しました。
(新聞「農民」2000.4.3付)
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[2000年4月]
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