「農民」記事データベース20000403-444-05

学校給食に地元の食材を

オホーツク自治研が初の「地域創造フォーラム」


 第一回地域創造フォーラム「オホーツクの食と農とくらしを結んで〜学校給食の『食教育』と地域の産業・生活創造の提起を考える」(主催・オホーツク地域自治研究所)が、三月十八日、北海道北見市で二百人を超す市民が参加して開催。地場産の食材で作られたカレーライスや北見特産のハッカのシャーベット、小清水町産の小麦を主原料にしたパンなど、地元の手作り「食」を味わった後、基調講演とパネルディスカッションが行われました。

 基調講演は、米飯給食の完全実施で注目を集めている高知県南国市の西森善郎教育長が、棚田のお米「黄金錦」を使った学校給食について紹介。とくに、電気ガマで炊飯した“炊きたてのご飯の成果”と、それが地域の教育改革の四本柱(知育・徳育・体育・食育)に位置づけられている点に関心が集まりました。

 続くパネルディスカッションでは、学校給食に地元食材をふんだんに使った「郷土食」に取り組む栄養士さん、小清水町産のハルユタカ小麦を使ったパンを学校給食に供給しているパン屋さん、家族や地域の子どもたちに地元産のパンを食べさせたいと頑張る生産者らが、それぞれの立場から現状と課題・抱負を語り、会場の支持と感動の討論がくり広げられました。

 最後にパネルディスカッションを総括して、地元の主産物であるじゃがいも・たまねぎ・にんじんの利用と多品目化、メニューにも工夫をこらしながら、生産と給食現場を結ぶ連携の強化や、地域を挙げた食農教育の総合計画の樹立と推進などが提起されました。これまでこうした視角からの議論が少なかった道東で、フォーラムが投じた提起は各界からの注目と論議を巻き起こし始めています。

(東京農業大学 美土路知之)

(新聞「農民」2000.4.3付)
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2000年4月

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