「農民」記事データベース20000228-439-08

空き箱利用…地球に優しいエコ絵画

箱絵展が好評です

「大豆畑トラストの1年」テーマに作品出展

東京の為我井雅子さん

 「箱絵は地球にやさしい夢空間―祝二〇〇〇年箱絵会員展」(にっぽん箱絵の会主催)が、二月十三日から十九日まで東京・新宿の花園画廊で開かれました。この箱絵展には、千葉・東総農民センターの大豆畑トラストに参加している為我井雅子さんが、「大豆畑トラストの一年」を出品しています。
(塚平)


 余り聞き慣れない箱絵とはいったいどんなものかと思い、会場に入るとその作品のユニークさ、発想の面白さに驚かされました。

 「箱絵とは…」一度使われて役目をおえ、捨てられるばかりの空箱の中に思い思いの絵や詩・句などを書いて楽しむ。まさに地球に優しく、ゴミ減量化にも役立つエコロジー絵画です。菓子箱をはじめチーズの入っていた小さな丸い箱、贈答用タオルやシーツの入っていた箱、サクランボの箱や段ボールまで、大小さまざまな箱たちが見事に額縁づきのカンバスに変身、その素材にあった絵が水彩、墨絵、色鉛筆、はり絵などで生き生きと描かれています。

 為我井さんの「楽しかった大豆畑トラストの一年」は、お菓子の詰め合わせの箱の中敷きを利用、(1)「七月四日、大豆の坊やをまきました」(2)「八月八日、ハスモンヨトウムシを軍手をはめて一匹一匹つぶす。虫さんゴメンネ」(3)「八月二十三日、うす紫色の小さな花がさいた」(4)「九月十五日、花が小さな莢にかわった」(5)「十一月二十七日、莢が一日、一日大きくなり、大豆の坊やが生まれました。ぼくたちは安心、安全な国産大豆だよ!遺伝子組み換え大豆はNO!日本の食料自給率アップさせよう!」と大豆の生長にそってよく観察した可愛らしい五コマの絵が描かれています。一方、箱の蓋には、新聞「農民」(四三一号)に掲載されたトラスト大豆収穫祭の記事のコピーを張り、新聞の宣伝もしてくれています。

 為我井さんが箱絵を始めたのは昨年から、「材料が手に入りやすいし、お金が掛からず楽しめる」といいます。

 にっぽん箱絵の会の代表をしている泉ゆきをさんは、一九九八年には第十九回読売国際漫画大賞・近藤日出造賞受賞している日本漫画家協会会員です。

 泉さんが箱絵を始めたのは、「箱が呼んでいる」といい、阪神大震災で犠牲になった六千四百人のお地蔵様を捨てられた空き箱に描きはじめ三千五百体になったとき、個展を開いたところ大好評。マスコミにも取り上げられ、これを契機に箱絵が立派な市民権を得たといいます。

 現在、箱絵の会の会員は、全国に百二十人。この箱絵展にも四十人の会員が百二十点の作品を展示しています。

 泉さんは、放浪の俳人山頭火が大好き。“心はいつも山頭火”を合言葉に、ネコの寅次郎をキャラクターを使って各地を放浪、心温まる漫画を書いています。(にっぽん箱絵の会の連絡先。〒340-0017 草加市吉町5-6-47 泉ゆきを)

(新聞「農民」2000.2.28付)
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2000年2月

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