もの作り、どう増やす輸入激増・生鮮野菜の異常低落のなか農民連が作付・市場出荷研究会
政府による減反とコメの投げ売り、生鮮野菜の輸入激増(一九九九年は前年比一一八%増)などにより農産物価格の異常な安値が続いています。こんな中、もの作りをあきらめかけている農民が農産物を作り続けられるように働きかけ、作る人を増やそうと農民連・生産流通対策部は二月十六日から二日間、東京都内で作付・市場出荷研究会を開催、十四道県二十五組織から四十名が参加しました。 基調報告を行った生産流通対策部の齋藤敏之さんは、(1)市場出荷をためらっている産直の組織問題をどう克服するか、(2)減反であきらめている農民にどう働きかけ組織するか、(3)班、単組、県連がどんな事をやるべきか考えていきたいと提起。続いて同対策部の小竹節さんが開発輸入の実態について「上海で一日四〜五百円という低い労賃で生産された野菜が日本に安く輸入され国内価格を引き下げている。現地にある茨城県事務所を訪れたとき、現地在住の日本人職員が奥さんの日課は野菜の農薬をよく洗い、一晩水に浸けておくことだと言っていた」と農薬が多用されている様子を生々しく語りました。 討論では、栃木県農民連の海老原恒夫さんが市場出荷について「継続することが大切。そのために組織拡大が欠かせない。この間五人が加入し、農民連の市場出荷で買い叩かれなくなったと感動している」と発言し、価格暴落で農民が苦しんでいる今、周りの農民に声をかけないでいいのかと訴えました。 長野県農民連の宮沢国夫さんは、「税金の学習会で『税金もいいがリンゴどうするんだ!』といわれ、加工で十キロ百五十円の並リンゴを上尾市場に出荷。一・五キロの袋詰めで百五十円になった。味がいいので農民連シールのリンゴを求める消費者も増えている」と発言しました。 討論を受け、多少安くても作ったものが売り切れるのが生産者の喜び。生産者を増やし、ものを売り切る組織作りを全国ですすめることを確認しました。 二日目は早朝から都内にある北足立市場のセリを視察した後、千住青果と懇談しました。
(森吉秀樹/新聞「農民」2000.2.28付)
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[2000年2月]
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