「農民にとって遺伝子組み換え技術とは?」「農の会」が研究会
「家族農業を基本に、それで成り立つ技術と経営の確立をめざそう」―― 一月二十九、三十の両日、東京代々木の国立オリンピック記念センターで農民連に団体加盟する「農の会」の研究会と総会が開かれました。 今回のテーマは「農民にとって遺伝子組み換え技術とは何か」。話題提供として、農民連分析センター技術顧問の杉田史郎博士が遺伝子組み換えの仕組みと農業への影響を、塚平広志「農民」編集次長が遺伝子組み換えをめぐる世界情勢や、アメリカでの栽培状況をそれぞれ発言しました。 杉田さんと塚平さんは、遺伝子組み換えの安全性はまだ十分確認されていないことや、WTOシアトル会議の決裂、世界じゅうで遺伝子組み換え作物が後退を余儀なくされていることなどを具体的に話し、討論では活発な質疑が交わされました。参加者はあらためて多国籍企業や大資本の農業支配は許さないという世論が世界的に広がっていることに展望をもつと同時に、農民自身の、土を生かした農業技術の大切さに確信を深めあいました。 また冒頭には、東京農工大学名誉教授の浜田竜之介さんが「荒廃する農地、豊かな農地」と題して記念講演し、「土壌は長い時間をかけて、自然がつくってくれたもの。有限の地球で人類が生きていくためには、無限の太陽エネルギーを食料に変える農業・農地・土壌はお金に変えられない価値をもつ」と、土壌からみた環境問題と農業への提言を行いました。 二日目は、産直協事務局長の斉藤敏之さんが有機農産物の表示問題について発言したほか、トマトの栽培実験やアイガモ農法、硫安を活用した夏越し技術、ソイルライフの肥料効果など、各地から日々の農作業に根ざしたさまざまな栽培技術や取り組みが発表され、生き生きと意見交換が交わされました。
(新聞「農民」2000.2.14付)
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[2000年2月]
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