2年間でこんなに大きく成長しました大豆畑トラスト運動交流集会遺伝子組み換え食品の危険性を懸念する世論が広がる中、「安全な国産大豆を食べたい」と始まった大豆畑トラスト運動が二年目の昨年、全国五十四カ所に広がり、多彩に取り組まれています。その大豆畑トラスト交流集会(主催・遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン)が、一月三十日、東京・シニアワーク講堂で開かれ、各地のとりくみが交流されました。
商店街や自治体、農協でも大豆畑トラストを商店街の活性化にと取り組んだ東京・早稲田商店街。出資者に、トラスト畑でとれた大豆を豆腐屋さんが加工し届ける、名づけて”MY豆腐作戦”に取り組んでいます。テレビ番組が放映したビデオが流され、「安全な豆腐を食べたい」と申し込む消費者の顔が次々と映し出されました。「お客と商店街の距離が縮まった。他の商品の売り上げアップにもつながっている」と担当者。今年はさらに、生ゴミをトラスト畑に還元する計画を進めています。昨年のトラスト運動の特徴は、こうした商店街や、味カイ・醤油・豆腐・納豆など食品加工業者と提携したり、町おこし・村おこしに自治体・農協を巻き込んだり、棚田保全の運動と結びついたりと、さまざまな自給運動の輪が広がっていること。集会では、生産者・加工メーカー・生協が提携したふくしま大豆の会、千葉・鴨川の千枚田保存トラスト、在来稲の水田トラスト(山形・新庄)なども報告されました。
各地の経験を生きいき報告そうした中で、大豆畑トラスト運動の先頭に立っている農民連も、茨城県南、埼玉・春日部、千葉・東総、新潟、石川、広島、福岡など各地から参加。消費地・大阪へ一週間泊り込みで出かけ豆腐作り講習会を開いた石川の山次さん、おばあさんに聞いて”納豆づっと”をつくった福岡の桑原さん、真夏の暑いさ中に消費者と一緒に手で害虫を駆除した千葉の寺本さん、消費者にも出資を呼びかけて自前のみそ加工所をつくった新潟の捧さんと味岡さんらが、次々と発言。「モンサントが遺伝子組み換え大豆の作付を働きかけた農民が、それを蹴ってトラスト運動に取り組んだ」と発言した茨城県南の小林さんに、会場から大きな拍手が起こりました。農民連食品分析センターの八田さんは、コーン菓子から遺伝子組み換えトウモロコシを検出した分析センターの活動を報告。「近日中に、大豆の遺伝子分析もできるようにしたい」と述べ、期待の拍手で包まれました。
「みんなの種」宣言運動起こそう集会ではまた、科学ジャーナリストの天笠啓祐氏、埼玉大学理学部の市川定夫氏がそれぞれ、「遺伝子組み換えイネを考える」「遺伝子組み換え技術のセン在的危険性」と題して記念講演。最後に、飛躍的に前進した昨年の運動を今年はさらに、地域で生産し流通させ消費する「地域自給」をすすめること、農家が営々と作り続け、守ってきた在来品種の種を種苗会社の種子独占から守る「みんなの種」宣言の運動を広げることを確認し、閉会しました。
(二瓶/新聞「農民」2000.2.14付)
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[2000年2月]
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