「農民」記事データベース20000110-433-05

全米家族農業者連合と環境保護団体

モンサント社を提訴

GM種子の安全確認怠り損害


 全米家族農業者連合と米環境保護団体のエコノミック・トレンド財団は十二月十四日、遺伝子組み換え(GM)作物の開発、種子販売を行っている世界最大手のモンサント社にたいし、損害賠償を求める集団訴訟を起こしました。

 この全米家族農業者連合は、さる十一月二十八日にシアトルで農民連と会談し、家族農業経営と食糧主権を守る共同声明を発表した農民組織です。

 原告側の訴えによると、(1)モンサントはデュポンなど他社と共謀してカルテルを結び、価格のつり上げ、市場支配を狙うなど米国独占禁止法に違反する行為を繰り返した。(2)人体、環境への危険性を適切に試験せず、安全性を十分確認せずにGM種子を販売し、GM作物と非GM作物の混合出荷を招いたため、消費者に拒絶され、幅広い農家が損害を受けることになったと主張、国内外の農家が被った損害を賠償すべきだとしています。

 この訴訟は、アメリカ国内だけでなく、アジア、中南米、欧州、北米などでも次々と行っていく計画で損害賠償額は十億ドル(数千億円)にものぼると試算されます。

 GM作物の最大の生産国であるアメリカで、モンサント社などの責任を厳しく問う訴訟が提起されたことは、GM作物の栽培や貿易を積極的に推進してきた米政府の政策にも影響を与えることは必至です。

(新聞「農民」2000.1.3/10付)
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2000年1月

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