「安全」「健康」かかげて今年の国際食品・飲料展
非遺伝子売り込みに懸命――アメリカ館○…過去、様々な話題を提供してきた「国際食品・飲料展」(フーデックス)がことしも三月九〜十二日に千葉市・幕張メッセで開かれ、あの手この手の売り込み合戦が展開されました。ことしの特徴は、安全・健康志向への関心の高まりを反映して、「オーガニックと有機食品」「健康志向食品」コーナーが設けられ、海外企業までが有機農産物使用、無添加、非遺伝子組み換えを全面に打ち出してPR宣伝に懸命でした。 なかでも驚いたのはアメリカ館の展示です。すでに、全米の大豆作付け面積の五割余が遺伝子組み換えになっているというのに、会場では、NOn・GMO(非遺伝子組み換え)、オーガニック検証と銘打った大豆やコーンの売り込みです。また非遺伝子組み換えの飼料で育てたと宣伝する牛肉、鶏肉が並び、遺伝子組み換え食品が、”安全・健康”に逆行するのを自ら証明しているようでした。 アメリカ産米のすし、団子ズラリ○…ことしの食品展でのもう一つの特徴は、日本のコメ関税化移行を視野にいれたアメリカ米、オーストラリア米の激しい売り込み宣伝です。USAライス連合会が用意したアメリカ米は、カリフォルニア州産「あきたこまち」と中粒種の「カルローズ」、アーカンソー州産「コシヒカリ」の三種類。日本市場での輸入米の用途拡大を意識して、おにぎり、いなり、太巻ずし、団子など所狭しとウインドに並び、その場で製造実演もし試食させます。 おにぎりを食べたある農民は「塩気が効いているせいか日本米とほとんど変わらない。これがスーパーなどで売られると脅威だ」と語っていました。 一方、オーストラリアン・ライス生産組合は、新しく日本向けに育成した短粒種「オープス」(地元種にコシヒカリを交配)を開会前日に披露。会場では炊きたてのオーストラリア米を試食させたり、同国産「コシヒカリ」「ミリン」などを使ったおにぎり、団子、あられを配り、「あらゆる用途に最適です」とアピールに懸命でした。
(新聞「農民」1999.4.5付)
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