東京の農林水産業に光を
三上満さん、大いに語る
農・漁民、消費者らが「つどい」「革新都政実現でこそ」
首都東京の都知事選に唯一革新の予定候補として連日奮闘、農民連も推薦している三上満さん(元全教委員長・全労連議長、教育評論家)。三月九日、「三上満さんと東京の農林水産業を語るつどい」が東京・新宿区で開かれ、農民や漁民をはじめ消費者、労働者、研究者など百十七人が参加。三上さんは農業への熱い思いや都政について大いに語りました。
東京で長い間中学校の社会科教師をしていた三上さんは、「子どもたちが農作物の作り方や作物がどのように育つのかをまったく知らないので、授業に農業体験を取り入れ、子どもとともに作物をそだて、収穫の喜びを味わうようにしてきた」と話しました。葛飾区で旧農家の生徒から、とうみ(唐箕)やくるりん棒などの古い道具を借りてきて生徒に使わせたり、給食に出された伊予柑を食べない子どもたちに苦労して栽培し、品種改良に努力している農家について教え、その後、誰もが残さず食べるようになった教育実践をふりかえり、「人格形成にも農業が不可欠である」と指摘。伊予柑の話は「満さんの伊予柑物語」としていまでも語り継がれ、教育を通して子どもたちに農業への愛や尊敬を教えてきたことを語りました。
また、東京の農業が果たす重要な役割を教えてきた三上さんは「“農のある都市づくり”が求められている」とし、「東京の農林水産業が新鮮で安全な食料を生産する大切な産業であり、そこに光をあてていく都政にしたい」と強調しました。
調布市で花を栽培している秋間市郎さんは「都の農業改良普及センターの職員を量的にも増やし、質的にも高め、私たちの要求にも応えられるようにしてほしい」と要望し、自家製のヨーグルトを持参した八王子市の酪農家、磯沼正徳さんは「環境整備には、相当の資金がかかる。行政の援助が必要だ」と発言しました。
また、都市と農村が連携し、商店街を活性化させ、農業の発展にもつながる生ゴミ対策などに取り組むよう提案が出されました。
三上さんは「意見や要望を研究し、政策に練り上げてぜひ知事になって実現したい」と決意を表明し、参加者から自家製のみそ、ヨーグルト、イチゴなどが贈られました。
(新聞「農民」1999.3.22付)
|