「農民」記事データベース20211025-1479-01

政権交代へ
野党共闘VS自公

 総選挙の論戦で、自公対野党共闘の対決構図が浮き彫りになっています。 読売新聞の世論調査では、野党の候補者1本化を評価する人が52%。また、安倍・菅政権の路線を「転換すべき」は69%(共同通信)にのぼっています。
 党首討論などでは、岸田首相は国民の願いに全て「ノー」と答え、「本籍・安倍政権」の正体をさらけ出しています。こんな政権はとりかえましょう。


岸田首相
国民の願いに全て「ノー」

 消費税減税

 ■野党は消費税を10%から5%に引き下げを要求。税率が5%になれば、農家や中小企業に過酷な負担を押しつけるインボイス(適格請求書等保存方式)導入も吹っ飛びます。

 ▼これに対し岸田首相は「消費税は大切な財源。減税は経済を混乱させる。引き下げは考えていない」とゼロ回答。

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 米価暴落対策

 ■野党は米の緊急買い入れと生活困窮者・子ども食堂などへの食料支援を要求するとともに、10アール1万5000円の戸別所得補償復活、生産調整を政府の責任で実施することを要求。

 ▼自公政権は「備蓄米の買い上げはしない」と拒否し、わずかな保管料を出して米の販売を1年後に先送りさせるだけ。過剰米は農協などに留め置き、「産地、生産者が判断して計画的に販売しろ」(金子農相)というだけ。戸別所得補償廃止、政府による米の需給調整は放棄したまま。暴落はおさまらず、来年の減反拡大は必至です。

 アベノミクス

 安倍・菅政治の9年間で、日本の大富豪の資産額は6兆円から24兆円に4倍に膨れあがり、大企業の利益は1・6倍。富裕層と大企業が分配を独り占めしてしまい、庶民のところに分配が回らない――■野党は、アベノミクスを転換し、格差と貧困を是正することを一致して求めています。

 ▼岸田氏は総裁選で「新自由主義からの転換」や「令和版所得倍増計画」、富裕層に対する「金融所得課税の強化」をぶちあげましたが、首相になったとたん、全部撤回。“まず成長、その後に国民に分配”“大株主に対する課税強化は経済を壊す”と言い出し、アベノミクスへの逆戻りを宣言。自民党公約は、金融緩和・機動的な財政出動・成長戦略と、アベノミクスの「3本の矢」そのままです。

 所得倍増から防衛費倍増へ

 「所得倍増計画」も早々と白紙撤回。代わって出てきたのは「防衛費をGDP(国内総生産)の1%以内から2%へ」という自民党の公約です。倍増になるのは国民の所得ではなく、危険で無駄な防衛費。その財源は教育・福祉・医療・農業切り捨て、消費税増税になりかねません。

 原発ノー、気候危機打開

 ■野党の共通政策は「石炭火力から脱却し、原発のない脱炭素社会を追求する」。

 ▼これに対し、岸田首相は“原発も石炭火力も必要だ”と言い、「原子力ムラのドン」として有名な甘利幹事長は、30基の原子力発電所の再稼働や「小型原発」の新増設を公言するありさま(NHK「日曜討論」、10月17日)。

 NPO法人「気候ネットワーク」が各政党の気候・エネルギー政策を評価したところ、日本共産党と社民党は「満点」、自民党は「0点」でした。

 選択的夫婦別姓

 日本記者クラブの党首討論(18日)で、選択的夫婦別姓を実現する法案を来年通常国会に出すことに賛成かどうかの質問には、9党首のうち、岸田首相ただ一人が手を挙げずに反対。岸田氏は半年前には選択的夫婦別姓の早期実現を求める議員連盟の呼びかけ人だったので、百八十度の手のひら返しです。この政権に任せては、ジェンダー平等は一歩も進みません。

 核兵器禁止条約

 ■「核兵器禁止条約の批准をめざし、まずは締約国会議へのオブザーバー参加に向け努力する」――これが野党の共通政策です。

 ▼しかし、被爆地広島出身の岸田首相は、核兵器禁止条約の批准にもオブザーバー参加にも背を向けたままです。10月に「核政策を知りたい広島若者有権者の会」が広島県内の立候補予定者28人に核兵器禁止条約に関するアンケートを実施しました。回答した23人中19人が「日本は条約に署名、批准すべきだ」と回答。しかし、岸田首相は回答を拒否し、「広島の声を届けてくれるのかな」という若者の気持ちを裏切りました。

 政権交代が焦点

 文字通り、政権交代が焦点です。野党の共通政策は、政治を大きく変える道筋を明確に示しています。安保法制の違憲部分の廃止など立憲主義の回復を明記したのをはじめ、外交・安全保障の問題でも、米価暴落対策をはじめ暮らしと経済の問題でも、従来の政策からの転換方向を明らかにしています。

 7割以上の小選挙区で候補を一本化し、野党の態勢は整っています。自公政権を終わらせ、新しい政権を築きましょう。

(新聞「農民」2021.10.25付)
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2021年10月

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