小林節夫元農民連代表常任委員への
白石淳一会長の弔辞
小林節夫さん、昨年11月に小林さん宅にお邪魔し近況を語りあいましたが、その折はお元気でまたお会いする機会を楽しみにしていました。まだまだ長生きしていただき農民運動へのご指導もいただきたいと思っていただけに残念でなりません。
小林さんは、1984年に結成された農民連の前身であった「農民運動の全国センターを考える懇談会」の事務局長として、また、1989年に結成されて、今年で27年目を迎える農民連の結成から13年にわたって代表常任委員として奮闘いただきました。
小林さんは文字通り、長きにわたって日本の農民運動のリーダーとして、かけがえのない役割を果たしてこられました。小林さんという大きな存在を失ったことは、私たちにとって例えようもない損失であり、悲しみです。
小林さんの指導力、農民を思う熱い心が農民連を育て、鍛えてきたと言っても過言ではありません。「ものを作ってこそ農民」「今たたかわずしていつたたかうか」、小林さんが強調したスローガンは今日においても農民連に結集する多くの皆さんの心に深く根付いています。
北海道にもたびたび来ていただき、様々なご指導をいただきました。車で移動する時には私に沢山の質問がありました。「あの作物は、あの木や草は何というのか」等々、本当に知識を吸収するのに熱心な方だと感服したものです。農業が大好きでこの農業をつぶそうとするものへの強い怒りと行動は、同じ農業をやっている者として魂を揺すぶられる思いでした。
今、農民連は安倍内閣の暴走、とりわけTPP批准をこの秋の臨時国会で認めさせないために、この間培ってきた共同を広げ世論とたたかいで阻止しようと全力をあげています。
小林さんはきっと農民連は「もっとガンバレ」と思われていたと思います。私たちはその思いを受け継ぎ、よりいっそう奮闘する決意を固めているところです。
小林節夫さんのご冥福(めいふく)を心からお祈り申し上げ弔辞とします。
(新聞「農民」2016.9.5付)
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