「農民」記事データベース20150223-1154-08

農民連青年部第23回総会

学んだことを地域でも
農家や消費者に伝えたい

関連/参加者の感想

 「参加型の企画がよかったです。学んだことを地域でも農家や消費者に伝えていきたい」(参加者の感想)――。農民連青年部は2月7、8の両日、都内で第23回総会を開き、全国から約40人の参加者が集いました。

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総会で学んだことを持ち帰って地域でがんばるゾ!


舌と目で農力格付けチェック

 1日目の特別企画「農力格付けチェック・おまえの農力は何流だ?」では、効率や経済性ばかりがもてはやされるなか、私たちはなぜ食料自給率を高めなければいけないのか、国産農作物の生産を守らなければいけないのか、「舌」と「目」の実力を格付けチェックしながら学びました。

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宮城県青年部長の平間徹也さん(中央)が超一流農力者「ヒラード様」として登場しました

 同じ容器に入った国産・市販の2種の食材を食べ比べ・飲み比べしながら、5品目について「農力」チェックを行いました。はじめはお茶。青年部の植田修部長が栽培する無農薬のせん茶と日本コカ・コーラ社のペットボトル茶「綾鷹」です。

 2つめは、東京・池袋で在来大豆を原料ににがり仕立てにこだわる大桃豆腐店の「權座絹豆腐」と、カナダ・アメリカ産大豆を原料に薄い豆乳を凝固剤で固めた「絹ごし豆腐」。

 3つめは、青年部幹事の渡沢寿さん(山形・置賜)のJAS有機栽培米と、ディスカウントストアで売られているくず米入りの格安米(複数原料米)でした。

 4つめは、青年部員の白鳥友季子さん(長野県南箕輪村)がつくる完熟りんご100%のりんごジュースと、多国籍企業「ドール」の「濃縮還元100%アップルジュース」です。

 4品目めまでは、参加者の多くが正解でしたが、5品目めのしょう油で回答が大きく分かれました。国産丸大豆と小麦でつくった、きんまる星醤油(埼玉県熊谷市)の「丸大豆醤油」と、キッコーマンの脱脂加工大豆原料のしょう油です。ここまで全問正解の「ヒラード様」も不正解となるなど、高い難易度に参加者も悩んでいました。

 全問正解の“一流”農力の参加者は、全国各地のしょう油蔵が作ったこだわりしょう油を賞品として受け取りました。

 農力の高いもの食べていて自信

 「食とはなにか、おいしさとは何か、便利さの裏側を考える今回の企画は、気軽に取り組めるものなので、自分でもぜひやりたい」「激安商品の流通は、誰もハッピーにならない仕組みになっていると知って、衝撃的で腹立たしく思いました。生産農家が暮らしていける適正価格のものを多くの人たちが選び、口にでき、そしてつながっている皆がハッピーになれる社会をつくっていきたい」「産直の仕事に関わり、農力の高いものを食べていて、自分の自信につながりました」などの感想が寄せられました。

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「農力の高い食品はどちらでしょう?」

各地の青年部で新しい取り組み

 8日(2日目)は、総会議案の報告と討論があり、討論では、埼玉の関根耕太郎さんが、青年会員から出会いの場を求めてイベント開催の提案があり、バーベキュー交流会を開いたことを報告。野菜は持ち寄りで埼玉特産の牛豚肉を使い、非農家も参加して楽しい交流会になったことを述べました。

 愛知の佐宗知幸さんは、平和若者ネットワークのメンバーとともに開催した「年間米づくり体験企画」について語り、5月に田植え、7月に畦草刈り、10月に稲刈り、12月には番外編として「お米を食べよう会」を開いて、食と農、平和を語り合う場になったことを紹介しました。

 農政改革と対決9条守る運動も

 総会では、3人が来賓あいさつを行いました。農民連の白石淳一会長は、1月13日から開かれた農民連定期大会に触れ、「地域の中でたたかい、将来の展望を切り開いてきた」と振り返りました。

 さらに戦前の不在地主制度とたたかった北海道・富良野の農家争議で青年が闘争の前面にたったことを紹介し、「その大きな流れが、いまのたたかいに引き継がれている」と述べ、TPP、農政改革をはじめ、戦争する国づくりなど、戦後民主主義を壊す施策とのたたかいを呼びかけました。

 日本共産党農林・漁民局の有坂哲夫次長は、戦前、多くの農村青年が満蒙開拓で中国東北部などに駆り出された痛苦の過去について語り、「安倍政権は、青年の願いと真っ向から対立する。幅広い青年と連帯して運動を強めよう」と訴えました。

 日本民主青年同盟の田中悠委員長は、TPP交渉からの撤退、農政改革反対、9条を守るたたかいに、「一緒に声をあげていきましょう」と呼びかけました。


参加者の感想

 北海道の阿保ちひろさん

 農力チェックをしてみて、自分の舌ってばかにできない。親がちゃんとしたものを食べさせてくれていたことに感謝しています。消費者に自分たち農家が安全なもの、おいしいものをつくっていることを伝えていきたい。

 奈良の西岡万嘉さん

 阿保さんが30町歩の面積でつくっているのを聞いて、3反の私は衝撃を受けました。それでも加工などもやって約1000万円稼ぐ人もいて、しっかりと取り組んでいくことが大事だと思いました。

 新潟の佐藤徹さん

 農力チェックや栽培規模の話を聞いて、農業って多様で、命をつなぐ中身のあるものをつくっていくことが大事だと思いました。消費者にも理解してもらえるよう、農家が伝えていかなければならないと思います。

(新聞「農民」2015.2.23付)
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2015年2月

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