第21回大会の発言から
障がい者作業所で農作業
地域の農家の担い手作り
愛媛県農民連 和気数男
1998年に150人の農家とともに愛媛県西予市で「野村町百姓百品産直組合」をスタートさせました。現在は農家数が550人になっています。障がい者の就労支援作業所も2年前から立ち上げました。すべてを加えると仲間は650人を超えています。若い人が農業を始める理由に「百姓百品もあるから」という声も聞きうれしく思っています。
作業所の利用者は現在24人で、スタッフは14人です。農作業に特化して行っています。利用者のほとんどは、作業所に来る前は地域でひっそりと暮らしていた方がほとんどです。
作業所の理念として3点あげています。一つは利用者の幸せとなること。二つ目は、賃金の目標を障害年金と合わせて一人で生活できる金額に設定していることです。まだ達成できていませんが、全国平均は大きく上回っており、2年以内に達成できる見込みです。将来的には年金と同じ額を目標にしています。三つ目は、地域の中で働き生活をし、地域の農業に寄与することです。つまり地域の農家の担い手となることです。
本当にできるのか不安に思っていましたが、すぐに消えていきました。利用者からは「作業は本当に楽しい」「生活が明るくなった」という声が上がっています。
農業は本当に素晴らしいです。厳しいけれども収穫の喜びがあり、命を育む食料を作っていることで、癒しの効果があります。そして、多様な作業があり、障がいに合わせた仕事ができます。自然の中の仕事なので四季にふれる素晴らしい喜びがあります。
産直の様々な活動通じて
青年2人を迎え入れる
京都農民連 井尻勇助
今後の産直事業でどういった点を戦略的に進めていくか、お話しします。
一つは検査事業です。去年はそばの検査事業を京都府で初めて立ち上げました。自治体や営農組合からそばの検査依頼が来ており、近畿農政局も「そばのことなら農民連に相談しなさい」という指導をするようになっています。そこまで言われたら私も受けて立とうと、22・5キロのそばを去年は300袋検査しました。そばは検査しないと交付金が出ません。検査事業を進めることで、農民連の社会的地位を築いていこうと考えています。
二つ目は、前回大会後、酒米「山田錦」を生産し地産地消で地元の酒を作ろうと取り組んできました。最初の出荷は168袋でしたが、去年は2000袋に増えました。今年は仲間12人で2500袋を目標にがんばっていきます。昨日のレセプションで「山田錦」の吟醸酒を飲んだ方を見てください。みなさん頭がよくなったような顔をしています。
3つ目です。農民連というのは、方針を高々と掲げて、いろいろな方と提携を進めることが大事だと思います。亀岡盆地の協議会の中で、次の時代を担う青年を増やさなければいけないと思い、2人の青年を農民連に迎え入れました。これから安倍政権のもとで、農業は非常に厳しい仕打ちを受けると思います。そのとき、農民連ここにありと示し、次代を担う青年や女性に、運動を広げていこうではありませんか。
(新聞「農民」2015.2.23付)
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