農の未来ネット――
「江戸東京・伝統野菜」学習会
地域ブランド化の野菜
食育や農業振興に貢献
NPO法人農の未来ネット(理事長・後藤光蔵武蔵大学教授)などは1月31日、東京都千代田区のワーカーズ・フェアビンデンでサロン学習会「江戸東京・伝統野菜〜生産から消費〜」を開きました。
冒頭、田沼肇事務局長があいさつ。2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されるのにあわせて、東京都が江戸伝統野菜を、海外からの参加者へのおもてなし食材と位置づけていることを紹介しました。
江戸東京・伝統野菜研究会代表の大竹道茂さんが学習会の講師を務めました。
大竹さんははじめに東京の農業について解説。23区内では11区で農地が残り、都内の気候条件が中山間地(奥多摩地方など)から亜熱帯(小笠原諸島)までそろっており、「まさに東京農業は日本農業の縮図」だと述べました。
江戸東京野菜の基本的考え方は、「江戸期から始まる東京の野菜文化を継承するとともに、種苗の大半が自給または種苗商により確保されていた1965年〜74年までの固定種、または在来の栽培法等に由来する野菜とする」とされていることを紹介し、現在、約40種が指定され、「その一つひとつに歴史と物語がある」と語りました。
また、練馬ダイコンや三河島菜、品川カブなど、小学校での栽培や学校給食の食材として、また地域のブランド化でまちおこしや観光資源として、食育や農業振興に貢献している実例を示しました。
学習の後は、国産素材たっぷりの料理を味わいながら、大竹さんを囲み、参加者同士で楽しく交流しました。
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ワーカーズ・フェアビンデンの国産料理を囲んで交流しました |
(新聞「農民」2015.2.23付)
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