農民連女性部
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交流会には、奈良の柿の葉ずし300個をはじめ、全国のもちより料理が並びました |
農民連女性部の藤原麻子事務局長の議案の提案につづいて、奈良県北和農民センターの森口いち代さんが、県農民連の活動を報告しました。森口さんは「活動の羅針盤は、組合員の『こんなことしたい』『あれが困っている』という“つぶやき”」と言い、スライドを使って、作物栽培の講習会や共同堆肥づくり、労災、税金や産直・直売所などの取り組みを紹介。「イベントなどでは必ず“つくって食べる”ことを大切にしている。みんなで集まって、食べて、しゃべって、笑う。農家を一人にしない、つながる機会をもつことが、元気の源になっている」と話すと、会場からも「そうだねー。一緒に食べるって大事だよねー」という声が自然とわき起こっていました。
森口さんは、奈良県女性部の加工やお弁当づくりの取り組みも報告。「収穫した農産物をムダにしたくない」と始まった加工の取り組みが、今では地域の学校給食や食育にまで広がっていることを話し、「今後の課題は、運動と農業と地域を、後継者につないでいくこと」と報告を結びました。
愛知の原田愛子さんは、政府の6次産業化の助成制度を活用して、特産の次郎柿を加工し、販売していることを報告。原田さんは、6年前に営農を引き継いだものの、あまりの収益の悪さに驚いてしまいました。同時に、地域の柿づくりをなんとか守りたいと柿研究会を立ち上げて活動するうちに人のつながりができ、助成制度も活用しつつ会社を立ち上げ、過熟した柿もペースト加工して販売し始めたことなどを、いきいきと語りました。「やり出したら農業はおもしろくて、私の熱意に人が引き寄せられて(笑)、可能性が広がってきた。でも6次産業化は手段であって、一番大切なのは地域の農業をどう守り発展させるかということ」と述べ、会場に大きな拍手がわき起こりました。
「食文化を伝承していこう」という発言も相次ぎました。岩手の伊東庚子さんは「豊かな日本の食文化や伝統食は、農村の生活がつくりあげたもの。農民連女性部も地域に残された食文化や郷土食を掘り起こし、食で消費者とつながって、TPPや農政改革とたたかっていこう」と呼びかけました。
山形の近野静子さんは、置賜地方農民連の女性部「こぶしの会」南陽班でも、地域の食文化を伝承しようと毎年、笹巻き作りに取り組んでおり、「今後は雪国ならではの保存食作りも」と抱負を語りました。
福島県、宮城県の被災地からも胸に迫る発言が続きました。福島の根本幸子さんは、浜通り地域の女性部で共同してワタ作りをしたことを報告。避難生活が続き、農業を離れた女性会員も多いなかで、久しぶりの土いじりに「農作業っていいねえ」と笑顔があふれたと話しました。
宮城の菅原栄子さんは、放射性廃棄物の最終処分場建設が加美町で計画されており、地域あげて反対運動が巻き起こっていると発言。「県内にはまだ原発事故直後の汚染稲わらも残っていて、この処理を求める声も強く、矛盾がいっぱい。あらためて原発は絶対ダメとの思いを強くしている」と述べました。
来賓として日本共産党の斉藤和子衆院議員が、「空白だった衆議院の農水委員会に議席を回復することができました。農業を発展させるため、みなさんとともに頑張ります」とあいさつし、会場から割れんばかりの拍手が送られました。
樽井さんは、古事記や日本書紀の神話的記述を紹介しながら、侵略戦争の正当化に、「日本の歴史は万世一系の天皇を中心として展開されてきた」とする歴史観(皇国史観)が利用されたことを説明。「科学的な検証もなく支配者に都合よくつじつまをあわせた“歴史の偽造”を許してはならない。しかも問題なのは安倍政権が、こうした皇国史観を復活させ、いま再び戦争できる国にしようとしている」と訴えました。
[2015年2月]
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