「農民」記事データベース20150216-1153-05

一つまたひとつ消えていく
節分の風習

岐阜県農民連・中島新吾


画像  節分。こちらではヤドメ(この地方の俗名)という木の小枝の先に、鬼を描いた短冊とイワシの頭を付け、玄関や建屋の角に取り付けます。

 この鬼は家々でちがい、わが家は昔からの木彫りです。夜には、家の中すべての部屋を豆をまきながら「福は内」とまわり、最後に玄関を開けて「鬼の面打った」と大声で豆をまき、戸を閉めます。そのあとは、家族でお茶を飲みながら自分の年の数だけ豆を食べます。

 豆まきは2月3日とは決まっていませんでした。1月の末から集落ごとにどこかでやっていて、私たちが子どものころはこの短冊を早く取るために走り回っていました。最近はそんな風景もあまり見られません。それ以上に、短冊をつける家が少なくなっています。行事が一つ、また一つと消えようとしていますが、つなげるために続けています。

(新聞「農民」2015.2.16付)
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2015年2月

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