第21回大会の発言から
1月13日から15日まで行われた農民連第21回定期大会での発言を順次紹介します。今回は福島県農民連の4人の若手です。
損害賠償請求しないと
国、東電許すことになる
福島県農民連の佐々木健洋さん
県内で太陽光発電を中心にした再生可能エネルギーに取り組んでいます。稼働しているのは1346キロワット、建設中が3097キロワット、計画中が531キロワットで合計すれば約5000キロワットです。
目標として、6000キロワットの発電所を農民連でつくろうと計画しています。現会員1400世帯が使用する電気を自給するにはこれぐらい必要です。これまでノウハウを蓄積してきましたので、技術を共有して全国のお手伝いをしたいと考えています。
みなさんがやらないと、本来は手にするはずだった収益がすべて大都市にいってしまいます。植民地型の発電を許してはなりません。
この会場から地域に帰ってすぐに山林、原野、宅地など土地を探してください。
再生可能エネルギーの取り組みが農家の収入になり、原発再稼働を阻止する大きな力になります。
県連も、会長はじめ新しい体制になりました。2000人の会員に挑みたいと思います。
生業を返せ、地域を返せと
原発訴訟たたかっている
郡山地方農民連の平克彦さん
私からは生業(なりわい)裁判についてお話しします。
昨年、大飯原発の再稼働差し止め判決が出ました。(判決の一部を紹介して)私たちが単なる犠牲者ではなく、福島が生かされた判決だったと思います。
私たちも国と東電を相手に「生業を返せ、地域を返せ、福島原発訴訟」をたたかっています。この裁判は、国と東電の責任を法的に認めさせることで、福島だけでなくすべての原発の被害者を救済し、原発のない社会を目指すものです。現在約4000人の原告団となり、多くの会員も参加しています。
4000人と大所帯の裁判ですが私たちだけではこの裁判に勝つことができません。再稼働を許さず日本から原発をなくすためにも、みなさんに一緒にたたかってほしいというのがお願いです。
支援者の組織も準備中で近くお知らせいたします。この訴訟を通じて原発のない社会を実現するため、みなさんと一緒にたたかいたいと思いますのでよろしくお願いします。
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発言する(左から)服部、佐々木、菊地、平の各氏 |
家族経営規模の酒蔵支援
要求に応え組織づくりも
会津農民連の菊地良明さん
会津農民連では、約1万俵を取り扱う事業組織をもっています。2010年に地域協議会の方針作成者になり、転作を進めていくことになりました。10年から2年間、2000袋のもち米に取り組みました。
11年には、地元の家族経営規模の酒蔵と加工用米で契約を結びました。私たちが納める総数700袋の米すべてが酒になる取り組みで、13年まで続きました。
13年からは、新たに3000俵の政府備蓄米に取り組みました。翌年は倍増させ、加工用米の新たな売り先として、県内の酒蔵を確保し、今も供給しています。
こうした取り組みの成果として、地域でがんばっている家族経営規模の酒蔵を支援することになります。
また、昨年からえさ米の取り組みが注目されています。15年度は、5倍ぐらいに増やし、十分利益がでると考えています。会員も何を作っていいのか悩んでいるなかで、会員の要求に応えられる組織作りにがんばっていきたいと思います。
再生可能エネの取り組み、
原発再稼働阻止の力に
福島県北農民連の服部崇さん
震災と原発事故から4年になります。直後から続く全国の支援、本当にありがとうございます。
2011年に比べ、福島県の農業生産額は約500億円減りました。特に桃の価格は全国平均の75%と価格が戻りきっていません。福島県農民連の地方組織では毎月、東電への損害賠償請求に取り組んでいます。請求しないと国と東電を許すことになってしまうという思いからです。農産物の被害は風評被害ではなく実害だと訴えています。風評被害とは根も葉もないことですが、残念ながら根にも葉にも放射性物質があるわけで、福島では風評被害とは言っていません。
東電が従来支払っていた請求に対して拒否するケースが出てきています。東電が巨額の黒字を出しているなか、請求を拒否することは断じて許すことはできません。
沖縄を見習ってオール福島でたたかっていきたい。打ち切りをチャンスにして、会員を拡大し、大きな組織で、国と東電を許さずがんばっていきたいと思います。
(新聞「農民」2015.2.9付)
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