農民連第21回定期大会
来賓あいさつ
関連/選出された新役員(敬称略)
農民連第21回定期大会で日本共産党の紙智子参院議員と日本米穀小売商業組合連合会の長谷部喜通理事長が来賓あいさつを行いました。大要を紹介します。
食料の安定供給求められる今こそ
重要な役割果たす農民連の出番
日本共産党 紙智子参院議員
今年は国際土壌年
日本の農業と農村の発展と農家の暮らしを守って、国民に対する安全な食料の安定供給のために日夜奮闘されていることに、心から敬意を表します。貧富の格差、そして栄養不足人口が増大しています。異常気象が頻発し食料生産の不安定性が増しているもとで、家族経営を基本とした持続的な農業生産と、農村を維持発展させることが課題となっています。
国連は昨年の国際家族農業年に続いて今年を国際土壌年に設定しました。農民連が目指す日本農業の自主的発展と持続可能な農業は、安全な食料の安定供給を求める国民の願いとも、国際的な食料、農業の課題とも一致しています。まさに農民連の出番だと思います。
家族農業壊す首相
一方、安倍自公政権は世界で一番企業が活動しやすい国を作るアベノミクスのもと、あらゆる国境措置をアメリカ式につくりかえるTPPへの参加に積極的であって、農業への企業参入を自由化し、農業生産と農家の暮らし、農村社会を支えてきた多様な家族経営と、その協同組織である農協の解体を推し進めようとしています。家族農業を基本とした農政の民主的あり方を大本から壊して、大企業に新たなビジネスチャンスを提供しようというものです。また米の生産と価格を市場任せにした政策は、生産者米価を大幅に下落させ、農家と地域経済に深刻な打撃を与えています。みなさんは安倍内閣とアメリカ言いなりの財界主導の農業農村つぶしの暴走と、真正面からたたかってきました。TPP問題では食健連をはじめとして消費者団体、学者、研究者、弁護士などの幅広い人々との一点共同を発展させ、妥結を許さない重要な役割を果たしてきました。
生産者米価の大暴落に「米つくって飯食えない」と過剰米の処理と直接支払い交付金の半減中止など国の責任で需給と価格の安定を求める要求行動を起こしてきました。
この取り組みは、米作りを続けるかどうかで悩む米作農家を励まし、大きな反響を呼びました。
暴走と対決する年
またみなさんは農業、食糧問題とともに、原発再稼働反対、憲法9条守れ、消費税増税中止の要求をはじめ、国民の暮らしと民主主義を守る課題でも、力を注いでいます。
2015年は安倍政権の暴走とあらゆる面で対決する年になります。TPP交渉も妥結に向けた動きを加速する危険性があります。農協改革の法案提出や農山村など周辺地域の切り捨てにつながる地方創生法案の具体化も始まります。農民連のみなさんのたたかいと、農業や農村の多数派となる組織建設が大成功することを祈念しています。
引き続きみなさんとしっかり連携を取りながら、日本農業再生のためにがんばる決意を申し上げましてあいさつに代えさせていただきます。
生産者のみなさん、消費者と
顔の見える信頼関係の発展を
日米連 長谷部喜通理事長
第21回大会、おめでとうございます。また、このような場にお呼びいただき、ありがとうございます。
正月に不景気な話はあまりしたくないのですけれども、今年は米価が下落して生産者は「米作ってメシ食えねえ」状況ですが、私たち米屋も「米を売ってメシ食えねえ」という状況になっています。
いま、国も米価安定に向けて委員会を招集したようですが、わかりやすくいえば、生産と消費のバランスがとれれば米価は安定するのです。国にはこれをやってもらいたい。ひとたび作らなくなった水田を復活するのは大変です。
米屋同様、農家も高齢化していくなかで、国の政策として農業はどうあるべきかをしっかり考えていかなければならないと考えます。
しかし一方で、流通しているすべての米が安くなっているわけではありません。農民連さんにはかねがね「需要に見合った米作り」をお願いしておりますが、平成24年産米のころには業務用米が不足して、私どもも商売にたいへん苦労いたしました。
今は「お米マイスター」制度を通じて、ご飯食の良さ、農業の大切さなどの情報を消費者に提供しようと努力しています。
こうした甲斐(かい)あって、いま米屋の店頭では、安い米ばかりではなく高付加価値のお米も結構売れています。「お米屋さんのお米はスーパーより高いけど、おいしい。いろいろ教えてももらえる」と信頼関係ができると、お客さんも安いお米に向かわなくなります。
生産者の皆さんには安いお米も作っていただきたいが、こういう付加価値のあるお米も作っていただきたい。そして消費者とも、生産者とも、顔の見える信頼関係を、さらに発展させていこうではありませんか。
会長 白石淳一
副会長 堂前貢、根本敬、真嶋良孝、笹渡義夫(新)
財政責任者 斉藤敏之
事務局長 吉川利明(新)
事務局次長 上原実、松本慎一、小倉毅(新)
常任委員 大沢稔、沖津由子、勝又真史、久保田みき子、鈴木亮、鈴木弥弘、高橋マス子、八田純人、原弘行、長谷川敏郎(新)、藤原麻子(新)、宮沢国夫、村田深、目黒奈美子、森島倫生、森本吉秀(新)、森谷精、森吉秀樹、湯川喜朗(新)、来住誠太郎
会計監査 菊地敏郎、早崎英夫、宇井正一
顧問 赤間守、石黒昌孝、大坪求、小林恭子、小林節夫、佐々木健三、佐藤長右衛門、重富健一、下山田虎之助、高橋嘉一郎、谷口一夫、坪井貞夫(新)、飛田元雄、中津孝司、町田拡、松倉多助、村尻勝信、山口和男、山下始胤
(新聞「農民」2015.2.2付)
|