韓国の農業と農民のたたかい (1)
10月13、14の両日、農民連と韓国の全国農民総聯盟(KPL)・韓国女性農民会総連合(KWPA)の政策協議が行われました。韓国側の報告を3回にわたって紹介します。
韓国のFTA(自由貿易協定)の
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報告した政策研究所のイ・ホジュン研究企画チーム長 |
また、韓米FTAでは、アメリカが韓国のスクリーンクオーター(韓国映画の上映を義務づけた制度)の縮小と、アメリカ産牛肉の輸入許可など4つを先決条件として要求してきた。この屈辱的な交渉に対して、農民ばかりでなく労働組合、進歩的な知識人、60人余の国会議員などが立ち上がり、全国民的な反対運動に発展した。2008年、韓国政府はアメリカ議会で韓米FTA批准を「お願い」するため、アメリカ産牛肉の輸入を拡大しようとした。これに激怒した女子中学生や妊婦、お年寄りまで、市民による「ろうそくデモ」を展開した。この結果、いまだ国会批准にいたっていない。これは、韓国市民の偉大な勝利だ。
イ・ミョンバク政権のFTA交渉は「通商独裁」との批判を受けるほど、農民、市民の意見を受け入れていない。KPL・KWPAは、FTA推進の中止、交渉からの農業除外、通商決定プロセスへの農民の参加を要求してたたかっている。
行動の前の学習では、「命とくらしの危機をどう切り開くか」をテーマに山家悠紀夫さん(暮らしと経済研究所主宰)の話を聞きました。山家さんはくらしを破壊し、日本経済を没落させた「構造改革」は、あらゆる規制を緩和し、企業がやりたいようにやらせるという論理でどんどん進められたことや、TPPの問題にもふれて、「これを許したら日本の農業は本当になくなる」と話しました。そして「もっといい日本」は実現可能だという結論に励まされました。
午後は、10班に分かれて各省庁などに要請行動。農水省では、戸別所得補償、ミニマムアクセス(MA)米の輸入、米価の暴落、口蹄疫(こうていえき)など8項目について要請・意見交換しました。
農水省の担当官は「戸別所得補償は輸入自由化を前提にしていない」「米価を安定させるための備蓄米買い上げはしない」などと説明しましたが、参加者からは「米が過剰だというならMA米の輸入をやめよ」「学校給食で子どもたちに無償で食べさせてほしい」などの意見が出されました。
また、「自由化推進と自給率向上を両立させていく」という説明には、「どう考えても無理だ」「日本の食糧を守るために私たちにできることは何でも応援するので、農水省ももっとしっかりがんばってください」と訴えました。
[2010年11月]
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