協議開始の決定に抗議――
TPP断固反対! エール交換
JAなどのデモ行進に農民連が連帯
共同広げ国民的大運動に
菅内閣は11月9日、「TPP(環太平洋連携協定)で関係各国との協議開始」を閣議決定しました。
全国農業協同組合中央会(JA全中)などでつくる実行委員会は翌10日、東京・千代田区の日比谷野外音楽堂で「TPP交渉への参加に反対し日本の食を守る緊急集会」を開き、全国から3000人が参加し、国会に向けてデモ行進しました。
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農民連・食健連の呼びかけに、コブシをあげて応えるJAグループのみなさん |
一方、農民連は、「緊急全国集会」に連帯する中央行動を国会前で行いました。全国から70人余りが集まり、食健連の人たちも含めて150人余りが国会前に座り込んで、デモ行進の参加者とエールを交換。その後、国会議員へ要請を行いました。
参議院議員会館前の道路ひとつ隔てて、「力を合わせてTPPをやめさせよう」と農民連がエールを送ると、デモ行進する全国の農協・漁協・森林組合員から「おう、がんばろう」とこだまのようにかえってきます。TPP断固阻止に向けて、農民、市民が一体となった行動が国会周辺で繰りひろげられました。
(4・5面に、関連記事とTPP特集)
全国で怒りが巻き起こって
国会前座り込み行動では、農民連の白石淳一会長が「菅内閣はTPP参加に向かってまっしぐらに走り出した。日本農業と地域経済に深刻な打撃をもたらすTPP参加は、断じて許されない。いま急速に、全国で怒りが巻き起こっている。今日の行動を出発点に、多くの国民と共同を広げ断固阻止しよう」と呼びかけました。後期高齢者医療制度の廃止などを求めて、国会前座り込みをしていた全日本年金者組合の久晶以明(きゅうしょうともあき)さんが「TPPは農家のみなさんの問題だけではなく、労働者、消費者、そして国民すべての問題です。力を合わせて阻止しましょう」と連帯のあいさつ。
「怒」のハチマキを締めた参加者からは、「農村の疲弊にさらに追い打ちをかけるTPP参加は絶対に許せない。地域にもどってがんばる」(宮城)、「緊急に繁華街で宣伝行動をした。若者が“米つくってメシ食えないってどういうこと?”“TPPって何?”と質問してきた。よく話せば署名してくれる。世論を盛り上げよう」(大阪)など、決意を述べました。また、日本共産党の紙智子参議院議員が激励のあいさつをしました。
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“いてもたってもいられない”―全国から国会にかけつけました |
固い握手をして共同を誓い合う
座り込み行動の途中に、JA全中などが主催した「緊急全国集会」のデモ隊が国会に到着。農民連がハンドマイクで「いっしょにがんばろう」「力をあわせて阻止しよう」と呼びかけると、多くのデモ参加者が手を振りコブシを突き上げて「そうだ!」と応え、「農民連さん、ありがとう」という声も寄せられました。
デモ終了後、農民連の白石会長らはJA全中の冨士重夫専務と会い、「引き続き力をあわせてたたかっていきましょう」と固く握手をして誓い合いました。
この日の行動を終えて、はじめて座り込みに参加した石川県農民連の宮岸美則会長は、「怒りの渦が広がっていることをすごく感じた。私が所属する農協の組合長もデモに参加していて、エールを送ることができた。結びつきを強くして、運動を広めていきたい」と話しました。
(新聞「農民」2010.11.22付)
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